第2話 ページ3
Aside
「ただいま〜、お兄ちゃーん？」
「帰ってきて早々お兄様を呼ばないでくれる？お前に構ってるヒマないんだけど」
「めっちゃヒマそうじゃん。母さん達は？」
「居ないよ、今日からまた海外出張」
「ふーん。じゃ、女の子連れ込み放題だ♪」
「うっわ、そんなんだからE組に来る羽目になったんじゃないの？」
「喧嘩バレただけ。ていうかお兄ちゃんには言われたくない」
軽口を送り合う。私はブレザーを脱ぎ捨て、お兄ちゃんの隣に座る。少し嫌そうな顔でお兄ちゃんが私との間に距離を置いた。
「俺と同じ顔で女癖悪いのとかマジでやめろよ。俺とんだ風評被害じゃん」
「え〜？そもそも私がお兄ちゃんに間違えられることが多くて女の子に告白されたんじゃん？じゃあお兄ちゃんのせいでもあるよね」
「意味わかんない」
「あ、そーだ。E組って可愛い女の子いる？」
「なんで俺そんなこと妹に言わなきゃなんないの？」
「いるんだ〜？」
「E組女子、顔面偏差値は悪くないと思うからね〜。まぁ、Aが気に入る子はいるんじゃない」
「私は雑食だからね。食べてポイッてしづらいけど……ま、手出したことない子のが少ないしいっか♪」
「気持ち悪っ…」
お兄ちゃんを足蹴にする。ブレザーを適当に掴んで部屋に入ると、携帯が音を鳴らした。
『久しぶり〜、明日からE組なんだって？山の上で待ってるよ〜笑』
見ると、某メッセージアプリに、E組女子からのLINEが届いていた。
中村莉桜。
初見で私の誘いを受けなかった子。
それどころかむしろ私と同じようなテンションだからか、私は彼女に接しやすかった。
ああ、もちろんまだ手出してないよ？？
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作者名：ちくぜんに | 作成日時：2020年1月20日 20時
