不良少女とツンデレスナイパー【暗殺教室】 (ページ13)

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第12話ページ13

速水side

「ん……？」

目を開けると、周りの明るさに瞼を閉じそうになる。もしかして私も寝てしまっていたのだろうか。寝起きの頭で状況を整理していると、膝の上でAが身動ぎした。

起こしてしまったか、なんていうのは杞憂に終わった。相変わらずスヤスヤと寝息を立てて眠るAが、私の顔を見上げるように体制を変えたからだ。

しかしまあ、こうやって見るとAの顔はやっぱり綺麗だと思う。それは認める。

だけど、認めたくない何かがある。
紛うことなき彼女への気持ちの変化であり、最初は否定しきっていたそれ。心の中を支配していく感情。私自身が戸惑っているこれに、もしかしたらAは気づいているのかもしれない。

彼女は勘が鋭いから。
それでいて何も言わない、本人が口にするのを待つ。短いけれど、同じ校舎で過ごした中で見つけた、Aの性格のひとつだ。

「お願い…、A……」

気付いていて、気付かないふりを続けるというのならば。

どうかそのまま、臆病で素直じゃない私を待っていて。

何も聞かず、隣にいて。