Episode;2 ページ3
Aside
「ねー絵麻ちゃん」
「はい、なんですかAさん?」
「私のこと、お姉ちゃんって呼んでよ。そんな長い時間は家でゆっくり出来ないけど」
「そういえばAさんって何のお仕事をされてるんですか?」
弥と椿が雑誌を持ってくる。まだリビングに置いてあったのか。恥ずかしいからやめてほしい。
「ほらー、コレ見てみ?」
「Aお姉ちゃんが載ってるんだよ!」
「…てことは、モデルさんなんですか!?」
「うん、そうだよ。椿、私が表紙の雑誌はリビングに置かないで」
「えー、だってかーいい妹だよー?いつでも見てーじゃん?」
「……Aの嫌がることはやめようね、椿」
上から梓の声。ため息混じりに聞こえたその声に私は振り返る。案の定、呆れた顔でこちらを見下ろしていた。
「おかえり、A」
「ただいま梓。これ、誰が買ったの?」
「俺だよー☆」
「うん、じゃあ後で捨てておくね」
「ひでー!」
「僕は僕で部屋にあるし。椿の部屋が綺麗だったらリビングに置く必要ないでしょ」
私たちのいつもの会話。
そばで見ていた絵麻ちゃんがクスリと笑った。
「騒がしいでしょ?」
「いえ…これからすごく楽しみです」
「そっか。みんな自慢のキョーダイだから、仲良くしてあげてね」
「はい……Aお姉ちゃん」
「………!」
さっそくお姉ちゃんって呼んでくれた!
ところで椿と梓は、絵麻ちゃんにいつまで4つ子のことを隠しておく気なんだろ。
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作者名:ちくぜんに | 作成日時:2019年6月21日 10時