狂愛【美竹蘭】 ページ2
Aside
「Aー、蘭ちゃん来てるわよー！」
「はーい！」
「それじゃあお母さん達も行ってくるわね、ちゃんとご飯食べるのよ？」
「分かってるって、子供じゃないんだから」
階段を降りれば、母さんがそう声をかけてくれる。颯爽と裏口から出かけていく後ろ姿を見送ってから、私は店へと続くドアを開けた。
例え土日であっても、夕方の閉店間際だとお客さんは少なくなる。そんな時間帯を見計らってお店に来てくれる蘭は、相変わらず不器用な優しさを纏っているようで。
「いらっしゃい、蘭。今日も泊まっていく？」
「うん、いつもお邪魔してごめん」
「いいっていいって。さっき母さんにも言われただろうけど、今日の夜は2人きりだから」
「…ん、聞いた」
「そっか。夕飯、何がいい？」
「……まだいい。それより、Aとキスしたい」
「もぉ……店、閉めるから先に部屋に行ってて」
並べてある花を眺めていた蘭の瞳が、急に妖しく光る。高鳴る鼓動に気づかないフリをして蘭にそう言えば、その口角が片側だけつり上がった。あーあ、今日は蘭のおもちゃ確定だ。
鍵束をリビングの机に放り投げ、階段を上がる。その度に早くなっていく心臓が少しだけ恨めしくて、私は制服の胸の辺りを握りしめた。乾いてからアイロンをかけなきゃなと考えられるのも、今のうちなのだから。
「……お待たせ、蘭」
「待ってないよ…それとも、Aが待ち遠しかっただけだったりする？」
「分かってるなら聞かないでよ…バカ」
「バカじゃないし…ほら、A」
命令とも取れるその声に私が抵抗出来たことは1度もない。それくらい彼女を愛しているし、彼女に愛されているからだ。ただし彼女の愛情は、少しだけ変わっているようにも思えるが。
唇を重ねれば、何回目かに舌が入ってくる。私のことを知り尽くして動くそれに、吐息が漏れた。やらかしたなんて思う暇さえ与えられず、私の体はベッドの柔らかいシーツに沈みこんだ。
「…カワイイよ、A。必死になってあたしを求めてるの見てると、ゾクゾクする」
「そりゃどーも……私は明日、店の手伝いが出来るか心配だよ……」
「何？目の前のあたしより、明日のあんたの心配するんだ。へぇ……今、Aの自由を奪ってるのが誰だか、分かってる？」
「……蘭だよ、私のカッコイイ恋人」
「分かってるなら」
その余裕、無くしてやる。
確かな声が、耳元に聞こえた。
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ちくぜんに(プロフ) - 飛餅さん» できる限り頑張ります！あんまり期待しないでお待ちくださいね……！ (2021年4月4日 21時) (
レス) id: 8315f66856 (このIDを非表示/違反報告)
飛餅 - コメント失礼します！リクエストなんですけどパレオで崇拝型ヤンデレをお願いできますでしょうか！？よろしくお願いいたします！！ (2021年3月31日 23時) (レス) id: 862382894b (このIDを非表示/違反報告)
ちくぜんに(プロフ) - ロコロコさん» ありがとうございます、リクエスト頑張ります！ (2021年2月10日 10時) (レス) id: 8315f66856 (このIDを非表示/違反報告)
ロコロコ(プロフ) - コメント失礼します！これはいいヤンデレや・・！リクエストなのですが独占型で香澄ちゃんをおねがい出来ますでしょうか・・！作者様のペースで頑張って下さい！応援しております！ (2021年2月10日 9時) (レス) id: 5b95378116 (このIDを非表示/違反報告)
ちくぜんに(プロフ) - アーシャさん» リクエストありがとうございます！かしこまりました、少々お待ちを……！ (2021年2月9日 17時) (レス) id: 8315f66856 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちくぜんに | 作成日時：2020年8月6日 17時
