【忍たま】スノードロップ (ページ35)

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35話ページ35

「あの…僕は委員長でも代理でもないので今回の会議には参加しないから…そんなに構えなくても大丈夫ですよ？」

少し後ろをついて歩く私に苦笑いしながら話しかけた。

「え、雷蔵くん、参加しないんですか？｣

「はい。僕は先輩がいる分責任の大きさが違うから出ない方がいいんですよ」

「でも…先輩だって雷蔵くんと協力することで少し荷が軽くなるんじゃないの？」

それくらい彼はわかってるはず

なのになんでそんなに辛そうに、苦しそうに笑うの

「…信頼関係を築き上げるのは壮大な時間がかかるのに、崩れるのは一瞬なんです」

天女は上級生も傷つけている。

その傷は、きっと5年間一緒にいた先輩がいた、雷蔵にとってはとても深いものなのかもしれない。

「だったら、私がどれだけ時間をかけてでももう一度元に戻す。前より良くしてみせる」

だから

そんな顔しないで。

「Aさん…」

ぐっと涙を堪えて、雷蔵は笑った。

「僕で良ければ、協力させてください」

「ありがとう、こちらこそお願いします」

「そーんな大きな事言って大丈夫なんですか？」

「勘右衛門…！」

いつの間にか後ろに立っていた勘右衛門が近寄ってくる。

「三郎にお前も来いって言われちゃってさぁ、今から行くからAさんも一緒にいきません？」

にっこりと、最初に会った時と同じ目で…

「勘右衛門がいるなら安心だね。じゃあ僕はこれで」

雷蔵が長屋に戻っていく。

「…弱みにつけ込みまくってると痛い目にあいますよ？」

雷蔵が歩いていった方を真っ直ぐ見ながら呟いた。

「別にそんなつもりじゃないです」

私もつられて同じ方を見る。

「そ、ならいいんだけど…そろそろ行きましょうか」

いつもの笑顔で私を見る。

「はい…」