【忍たま】スノードロップ (ページ34)

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34話ページ34

「…まあその呼び名でもいいよ」

少し拗ねた顔で私に近づいてくる。

「それにしても、僕の予想以上に上手くやってくれてるみたいで安心したよ。」

うーん、でも話してくれる人もみんな、心の中では私の事憎んだり恐れたりしてるような

「今はまだ、ね。せっかく協力できるチャンスを掴んだんだからポジティブに行こうよ」

この神様がポジティブすぎるだけなのでは…

「それで、なんの用なの？」

早くしないと集合に遅れちゃう。

「心配しなくても間に合うようにするよ。これからに備えて話しておきたかったんだ。」

そう言ってニッと笑った神は、私に手のひらを向けた。

「君は命を狙われてもおかしくない立場だ。罠にかけられることもあるだろう。

だから持ち前の勘の良さに加えて、僕から取っておきのプレゼントだ。
本当は僕が守ってあげれば良かったんだけどね、付きっきりはできないから。」

ふわっと風が吹いた気がした。

それ以外は特に変化はない。

「じゃあ、後はよろしくね。たまに顔を出しに来るよ。幸運を祈る」

ぐっと親指を立てて無責任に笑って消えていった。

「Aさん？入りますよ」

障子の向こうで誰かが喋ったと同時に、私の意識は戻ってきた。

「あ…雷蔵くん」

「先輩たちにAさんはすぐ迷子になるからって言われて迎えに来ました」

あー、既にそんなイメージなんだ。

別に方向音痴な訳じゃなくて忍術学園が広すぎるだけなんだけど…

「ありがとう」

まだ行ってない場所もあるし覚えたわけでもないからひとまず着いていくしかなさそう。