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33話 ページ33

「A。なぜあなたがここにいるかわかっているね」

父の落ち着いた声に頷いて返事をする。


「Aは忍に向いていなかった。だから修行をせず代々伝わる忍術を知らないまま外に出ることができた。

それでもあなたはここの一員なの」



冷静な言葉だからこそ余計に胸に突き刺さる。



「いくら恩人の紹介だからといって…敵対している土地の味方に着くのは掟違反。」

「立場上危める可能性は低いとは思うが、覚悟しておくんだな」



父が言い放った瞬間あやかが前のめりになって声を上げる。


「そんなっ…!可能性があるなんて!」

「あやか。Aはわかっているはずですよ」

母にしずめられ、そっと座り直した。



「今夜、決断が降る。それまでここで待機だ」

「はい」

有無を言わさない指示に頷くしかない。

両親が出て行くのを見届けて、2人で気の抜けた声を出す。


「ひゃぁ…久しぶりの両親は威厳ある…」

「もぉ、そんなこと言ってるバヤイじゃないよ。最悪の可能性になったら…」


最悪の可能性…か。

そのときに真っ先に浮かんでくるのはやっぱり利吉さん。

そして…



「ひゃっ…!誰!?」

「留三郎くん…!?」


天井から私とあやかの間に着地して私に微笑んだ。


「…どうしてここに」

「利吉さんと来ました。詳しい事情はあとで話します。とにかく急ぎますよ」



そこにいたのは忍術学園の生徒というよりも

忍者の留三郎くん、だった。

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みかんおばけ - 素敵です!サイコーです! (2019年3月29日 21時) (レス) id: 37228e8831 (このIDを非表示/違反報告)
あーり(プロフ) - 月長石さん» 月長石さん、ありがとうございます!準備が整い次第、続編を作ろうかなと思っているので他作品と並行になり更新ペースは遅くなるかもしれませんが、気長に見ていただければ嬉しいです!ご期待に添えるよう頑張ります! (2018年12月21日 21時) (レス) id: 55a75ee2ee (このIDを非表示/違反報告)
月長石(プロフ) - 大変だとは思いますが、ご検討して頂けるとありがたいです!改めてお疲れ様でした!ありがとうございました! (2018年12月21日 7時) (レス) id: 6c9c69e497 (このIDを非表示/違反報告)
月長石(プロフ) - 初めまして、完結おめでとうございます!いつもワクワクしながら見させて頂きました!私としては作者様も大変だとは思いますが、続編をつくって頂きたいなと思います!利吉さんと夢主さんが付き合った後の日常…みたいな感じの小説が見てみたいです! (2018年12月21日 7時) (レス) id: 6c9c69e497 (このIDを非表示/違反報告)
あーり(プロフ) - リディア94さん» リディア49さん、ありがとうございます!楽しんでいただけてなによりです(^^)これからちょっと留三郎くんに頑張ってもらってハッピーエンドを目指すので最後までよろしくおねがいします! (2018年12月14日 23時) (レス) id: 55a75ee2ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーり x他1人 | 作成日時:2018年8月7日 23時

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