検索窓
今日:7 hit、昨日:6 hit、合計:80,110 hit

23話 ページ23

それから特に留三郎くんに相談するような事もなく

いつもと変わらない日が続いていた。



「寒くなってきたねー…」

「落ち葉も増えてきたしねぇ」


寒さが仕事のやる気を削っていく。


「掃除しなきゃ…」

「あと門の前で終わるんだけどねぇ…」


箒を握りしめて門の前に小松田くんと並ぶ。

この状態で半刻は過ごしているかも。


「なんか面白い事ないかなぁ…」



「じゃあどこか遊びに行く?」

私の呟きに返事をしたのは小松田くんの声ではなかった。



「り、利吉さん!!」

裏山の入り口にある木の上にいつの間にやら座っていた利吉さん。


かれこれ一月くらい会っていなかった。



音を立てずに降りてきた利吉さんに駆け寄る。


「久しぶり」

にこっと笑う姿は相変わらずかっこいい。



「随分ぼーっとしてたけど…」

私と小松田くんを見比べる。



「あはは…いつから見られてたんですか?」


「寒くなってきたねーってところからかな」

あっ…結構な時間見てたのか

…恥ずかし!


「あんまり長い間外で立ってると風邪引くよ」

「はい…気をつけます」

心配してくれたことは嬉しいんだけど。



「ところで今日はどんな御用ですか?」

小松田くんが私の後ろから声をかける。



「今日は学園長にちょっとね。ついでに父にも。」

そう言って差し出された入門票にサラサラと名前を書く。



「それから…Aちゃんにもね」

「…へ?」


間近で微笑まれて
急な出来事に呆気にとられているうちに

利吉さんは学園の中に入っていった。

24話→←22話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (32 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
94人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みかんおばけ - 素敵です!サイコーです! (2019年3月29日 21時) (レス) id: 37228e8831 (このIDを非表示/違反報告)
あーり(プロフ) - 月長石さん» 月長石さん、ありがとうございます!準備が整い次第、続編を作ろうかなと思っているので他作品と並行になり更新ペースは遅くなるかもしれませんが、気長に見ていただければ嬉しいです!ご期待に添えるよう頑張ります! (2018年12月21日 21時) (レス) id: 55a75ee2ee (このIDを非表示/違反報告)
月長石(プロフ) - 大変だとは思いますが、ご検討して頂けるとありがたいです!改めてお疲れ様でした!ありがとうございました! (2018年12月21日 7時) (レス) id: 6c9c69e497 (このIDを非表示/違反報告)
月長石(プロフ) - 初めまして、完結おめでとうございます!いつもワクワクしながら見させて頂きました!私としては作者様も大変だとは思いますが、続編をつくって頂きたいなと思います!利吉さんと夢主さんが付き合った後の日常…みたいな感じの小説が見てみたいです! (2018年12月21日 7時) (レス) id: 6c9c69e497 (このIDを非表示/違反報告)
あーり(プロフ) - リディア94さん» リディア49さん、ありがとうございます!楽しんでいただけてなによりです(^^)これからちょっと留三郎くんに頑張ってもらってハッピーエンドを目指すので最後までよろしくおねがいします! (2018年12月14日 23時) (レス) id: 55a75ee2ee (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あーり x他1人 | 作成日時:2018年8月7日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。