【忍たま】年下なんて。

12話 ページ12

寂しさが紛れたからといって
会いたい気持ちがなくなるわけなくて


門を鳴らす音が聞こえるたびに

もしかして、なんて思ってしまう。


授業中の静かな学園にヘムヘムの授業の終わりを告げる鐘がなる。

それとほぼ同時に一年は組のかけ声が聞こえてくる。



「おかえりー」

門を開けるとヘロヘロのみんなが入ってきた。

その後ろに山田先生がは組のペースに合わせて歩いていて、

その山田先生と言い合いしている利吉さんが入ったところで門を閉める。




「…って利吉さん！！」

あまりにも自然に入ってくるから思わず通しちゃったよ。


「入門票にサインしてください！」

慌てて追いかけて入門票を差し出す。


授業終わりの号令の横で私を見てにっこり笑う。


「Aちゃん前より元気になったね」

「…そうですか？」


あって数秒でそんなこと言われるなんて

観察力がそうとう鋭いのか
私がそれだけ変わったのか。


多分両方なんだろうな。


「事務員さんは明るくないとね」

そう言い残して、山田先生のところに駆けていく。



なにが変わったのかって言われると

また会えなくなるんだろうなって考えなくなった



それはきっとあの6人のおかげで…

学園の中で楽しみを見つけられたからで…



楽しいことがあると明るくなれるのかな。

会いたいっていう前向きな気持ちだけが残るようになって


私の気持ちが少しずつ変わっていく気配がした。

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