56話 微かに震える手 ページ24
マサイside
救急車ではシルクと俺がAに付き添って、病院に着いた。着いてすぐ、Aは緊急手術をするから俺とシルクは、薄暗い手術室前の待合室で頭を下げ祈るように、手を合わせたまま重い溜息を吐く。
マサイ「ぜってー助かる、助かる……」
シルク「……あたりめぇだろ…」
それから深夜にも関わらず、俺らはずっと起きたままでいた。深夜1時に針が回った時、手術室のランプが消え医師が出てきた。Aは大量の点滴に酸素マスクを付けられている。
医師「手術無事に成功しました。」
シルク「っマサイ…!やったな…!」
医師「ですが、安心するにはまだ早いです。」
マサイ「……え?」
医師「深刻な重傷でかなりの時間が経ったせいか、出血量が多く一分でも遅れていたら…遅かったところでした。今はまだ意識が戻りませんが、私たちに出来ることは尽くしますので、御坂さんのそばに居てあげてください。」
マサイ「……っ分かり…ました…」
シルク「ぜってー、戻る。戻るから」
そんなに深刻だったのかと落胆していたら、肩にぽんっとリーダーの手が置かれた。そのリーダーの手から伝わる強い信頼と、僅かな希望がこっちまで伝わった。
マサイ「…だよな、俺らが落ち込んでいたらAの体まで響くよな…!」
シルク「おう、だからいつもみたいに振舞っといた方がいいぜ」
そう言ってニカッとリーダーらしく笑う。
でも、肩に置かれた手は微かに震えていた。
俺はそれに触れずに、笑い返し。Aの傍に寄り添うように病院に泊まることになった。
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ななみ - 今まで読んだ中で一番感動しました!(上から…)マサァイと夢主お幸せに。フィッシャーズのメンバー多分全員夢主のこと好きでしたよね。そう思うとなんか…涙がぁ。そしてボンドさんやくまみきさん、はじめさんが出てくるとは! きさらぎさん、本当にお疲れさまでした! (2019年5月17日 22時) (レス) id: 49db6b8eed (このIDを非表示/違反報告)
りりり - お疲れさまでした!めちゃくちゃ面白かったです!終わり方も最高でした! (2018年6月30日 22時) (レス) id: 3d63e4ae3a (このIDを非表示/違反報告)
トーマ - あのっ...! 文才能力高くないですか? 尊敬します! 終わり方がハッピーでよかったです! (2017年10月24日 22時) (レス) id: 6eb8a935dc (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - お疲れ様でした!!最後まで楽しく読ませていただきました!最後ハッピーエンドで終わって、今すごく心がホッコリしてますw次回作も読みに行こうと思ってます、またコメントするかもしれませんがその時はよろしくお願いします!本当におめでとうございます! (2017年9月18日 19時) (レス) id: 09fb478258 (このIDを非表示/違反報告)
きさらぎ(プロフ) - 最後までコメントして下さった皆様、本当にありがとうございました!!!皆様のおかげでこうして、幸せに終わりました!!!!!それでは、また、お会いしましょう!!!!! (2017年9月18日 16時) (レス) id: 2f9510d995 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きさらぎ | 作成日時:2017年7月26日 22時