「「こいつが気に食わない」」知らねぇ！！！【フイッシャーズ】2

43話 ずるいよ。 ページ12

泊まるのは私の家で確定したのを心に留めて、くまみきさんからメイクを丁寧に落としてくれてる間に、私は考えた。

…それはマサイの気持ち。最近、マサイは顔を赤くしたりやけに素直な事が多い。赤ちゃんの頃からの幼馴染みだけど、こいつムカつくし暴力ふってくる奴だけど、優しいってことは知ってる。





貴「そっか……」

くまみき「ん？」

貴「何でもないよ！」





私は気付いた。幼馴染みの、マサイの気持ちを。気づくにはとても簡単だったのに、気づけなかったんだろう…





貴「くまみきちゃん、ありがとうね。」

くまみき「ううん、いいよ！それに…カルメちゃんどうしたの？」

貴「にひっ！秘密ー！(*´ω｀*)ゞ」

くまみき「なんかよく分かんないけど、頑張れ！」

貴「ありがとう！行ってくる！」





荷物はくまみきちゃんが預けてくれると言うから、お言葉に甘えて携帯だけ持って東京国際フォーラムから出た。出てすぐ目の前に川があるから、そこのフェンスで電話を掛けた。





プルルル…

マサイ《もしもし？》

貴「おっす、マサイ。」

マサイ《何？どうした》

貴「あのさ、東京国際フォーラムから出てすぐの川辺りで待ってるから、悪いけどすぐ来て」

マサイ《ん？A、会場の外にいるのか？…なんか怖いけど行く。じゃ、後で》

貴「ごめんな、うん。」

プツッ……





電話を切って、川から優しい風が吹いて私の肌を触れていった。夜だったから、都会の星空を眺めて待つとするか。





貴「…綺麗だなぁー」

マサイ「そこに居たのかよっA…！」





星空を眺めていたら、後ろから馴染みの深い大好きな声が聞こえた。





貴「わざわざきてくれてごめんな」

マサイ「急に電話掛かってくるから何事かと…「マサイ」









貴「私の事、好き…でしょ？」

マサイ、気付くの遅くなってごめん









マサイ「……馬鹿、それは俺に言わせろよ」

貴「…………ぇ？」









マサイ「好きだ。Aの事が好きだ。だから、俺と付き合ってください＿＿＿」





貴「っ…！」





分かっていた。分かっていたけど、やっぱりマサイはずるいよ。





貴「そんなの、付き合うに決まってんじゃん。確かに暴力的で毒舌を吐く腹立つ奴だけど、マサイと一緒にいた時間は正直に言って楽しかったっ！これからもよろしくだよ！このやろー！」





産まれてからずっと一緒の幼馴染みの間に産まれた恋は、この日、実ったのである。

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