傾国。【鬼滅の刃 : MHA 】 (ページ13)

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漆ページ13

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「つ、月城先生…！！！」

緑の髪が特徴的な少年、"緑谷出久"がそう叫ぶ。

『っふふ…久しいねえ、"出久くん"。……おや、その手指は如何したんだい？？個性による影響なのかな。まあ、そんな話は後にしよう……。後で診てあげるから、其処で待って居ておくれ。』

彼に有無を言わせぬような言葉を投げ掛け、俺はバケモノに対峙する。

「あっ、、その……でも…！！そいつは…！！！」

嗚呼、何処までも心配性だな、彼は。

改めてそう思わされる。

『No problem(問題ナシ)！！心配は無用さ。』

何せ俺は既に、

バケモノに"触れている"のだから。

そんな中で、不意に拳を振るい下げて来たバケモノ。

俺は意図も簡単に、その拳を受け止める。

改造されたモノと言えど、少しでも手を加えて仕舞えば、これ程までに手応えが無くなるものなんだな。

そう考えながらしてバケモノを背負うように投げ倒し、地へと伏せさせては、自身が着用しているブーツのヒールで、その大きな図体を踏み付けのしたのだ。

そんな俺を見て、周囲が驚愕しているとは思わなかった。

『俺の個性の発動条件、それは俺自身がこの手で対象に触れる事。だが然し、今回の場合はそうでは無かった。少し凡例に対して例外的なだけさ。俺は君に"この剣"で、攻撃を入れただろう？まずまずこの剣は、俺の個性から創造されたもの。つまりそれを手中に収める事で、俺の握ったモノが俺自身の"手"となり、"足"となる。要は"第二の身体"さ。故に、俺が君に触れたという事実の変わり違いは、一切として無いのだよ。』

『…加えて、俺の個性の基本的な必中効果は"個性の無効化と模倣"。個性は既に発動して居る。結論としては、俺の手によって君の個性の必中効果は、"無効化された"。要するに君は無個性の丸腰。これではお得意の"ショック吸収"とやらは当てにならないねえ。残念、残念……。』

俺が踏み付けているバケモノは、踏み付ける力に勝る事が出来ずに踠き足掻こうと苦悶している。

そんな様子を思わず滑稽に思って仕舞った俺は、バケモノだけで無く、黒い靄のような図体をした男、そして手が身体全体に纏わり着いて居る男を煽てるように、くくッ…と、喉を鳴らすような嘲笑を零した。