お菓子は皆を笑顔にする魔法。【 夢色パティシエール】

▼sweet.021 ページ22

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『はあー、今日の授業も疲れたー！ね、いちごちゃにルミちゃん』
「そやな。！2人とも、今日の夕食はポトフやで」



くんくんと鼻で漂ってくる匂いを嗅ぎ取り今日の夕食を当ててしまうルミちゃん。本当かな？と思い、私も嗅いでみるとコンソメのいい香りが鼻まで入ってきて、腹の虫が鳴き出してしまいそうだった。



「ママ？」
『い、いちごちゃん？』



いちごちゃんから独り言が聞こえて、声をかけるもボーッとして私の声には気づいていない様子。その後も周りをジーッと見ていてなんだか変な様子だ。

ルミちゃんも変に思ったのか「大丈夫？」と声をかけると、いちごちゃんは大丈夫だと言っている。もしかして、家族が恋しいのかなと心配になるも深くは考えずにいると、いちごちゃんにとっては衝撃的な一言がルミちゃんの口から発された。



「それにしても今日はしんどいなあ。フランス語の宿題ようさんでたし...」
「ふ、フランス語の宿題？！」
『そうだった。今日の宿題いつもより量多いから嫌だなー』



そう言っている間に、いちごちゃんの顔はどんどん青白くなっていく。「英語すらもやっとなのに、次はフランス語？！」とぶつぶつ呟きながら。

そんないちごちゃんを見ているとこっちまで心配になってしまう。



「いちごちゃん、安心しぃや」
「え？」
「あたしらには佐原さんという強い味方がおるんよ」



戸惑う私に、自分の事のように自信満々なルミちゃん、訳が分からず涙目ながら戸惑ういちごちゃん。



「どうして、Aちゃんが強い味方なの？確かに、頭は良いだろうけど...！」
「そうなんよ、なんと佐原さんは英語とフランス語のテストはいつも学年1位。外国語のエキスパートなんよ」
『ちょっちょっと、ルミちゃんっ！』



他の人から言われると、なんだかものすごく恥ずかしい気分。だけど、ルミちゃんがその言葉を言った瞬間。さっきまで涙目だったいちごちゃんの瞳がまるで嘘だったようにキラキラ輝き出した。



「Aちゃん。どうか私にフランス語を教えてください、どうか"基礎から"！！」
『え、えええええええ？！』




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