拒否して ページ13
ハサミを向かい側の院長へ突きつける。
実はこの前のカウンセリングの際、病院のテーブルに無防備に置いてあったのだ。
当たり前だけど精神に異常がある私は刃物を握るのを許されていない。
だが私の個性が個性の為頂戴してしまった。きっと紙を切る用のハサミ。
運良く携帯して使える小型ハサミだった。
何かあった時のために隠し持っていたのだ。見つからなくて良かった。
院長さんには私に恐怖を抱いて貰い、保護を拒否してもらいたい。
少し恐怖を植え付けるやり方になってしまったのは申し訳ないと思う。
でも何故か私はこの人の雰囲気がどうも気にいらなかった。
院長の顔を目掛けてハサミを突き付けたが、一向に動く気配がしない。
「………避けないんですか？」
「あら？じゃあ何故貴方は刺さないの？」
けろっとした様子でそう応えた院長。
……怯えて貰わないとこっちが困るんですけど。
3年前のカウンセラーみたいに怯えてほしい。こんなのじゃ私の計画が崩れる。
嫌悪して私を拒否してほしい。拒んでほしい。
ついでに私の事を詮索しないでほしい。
放っておいてほしい。
…………今度は寸止めなんてしない。
自分の危機なのにどこからそんな余裕が出てくるのだろうか。ある意味この女は異常だ。
そんな事を考えながら体制を立て直し、もう一度ハサミを振り下ろす。
＿＿＿否、振り下ろそうとした。
振り下ろす過程で何かが私の手からハサミを弾き飛ばした。
かしゃん、と床に落ちたハサミ。余程の衝撃だったのか刃が欠けていた。
その様な事はどうでも良く、私はハサミを弾き飛ばした犯人を睨み付ける。
＿＿具現鶴喜。その女の身体の周囲には、沢山の
具現は仁王立ちで私を見下ろすように、ただ静かに私を見つめていた。
終わり
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リィ(プロフ) - えっ？！続きは…？？？お願いします！続きをください…！！！ (2022年12月18日 17時) (
レス) @page13 id: 1730b53d16 (このIDを非表示/違反報告)
けい - 続き楽しみにしています！ (2022年3月23日 10時) (レス) @page13 id: 04124863a7 (このIDを非表示/違反報告)
はりがね - えっ…終わりなんですか...？ (2020年6月4日 21時) (レス) id: 51d8bbe764 (このIDを非表示/違反報告)
トガ - うぇ！？終わりですか…？早く続きが見たいです… (2020年5月15日 22時) (レス) id: bceed2c96d (このIDを非表示/違反報告)
ランタン(プロフ) - この小説終っちゃったんですか…？続きが見たいです… (2020年4月22日 1時) (レス) id: acbe17e285 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：石津来 | 作成日時：2017年12月25日 22時
