Yuta-幼なじみ編 ページ6
(悠太side)
TY｢あ〜チョコ食べたい…｣
2月14日
仕事を終えて同期のテヨンと一緒に会社を出る
いつも通り肌を撫でる風は冷たいし
夜空も澄んでて星がよく見える。
TY｢チョコ〜チョコ〜｣
YT｢チョコチョコうっさいねん。自分で買え｣
TY｢そんなかっかしないでよ〜。ユタはさ、チョコ何個貰ってた？｣
口角上げて顔を覗き込んできたテヨンから目を逸らす。｢教えてよ、ケチ｣ってぶりっ子なテヨンは置いといてひっそりと思い返す学生時代のバレンタイン。
……モテなかった、と言えば嘘になる
望まなくても毎年幾つかチョコは貰ってたし
お決まりの下駄箱に入ってる事だってあった。
だけどそれ以上の思い出なんてない
俺は一度たりとも、一番欲しい人からの
本命チョコは貰えなかった
……そいつから貰うのは毎年
YT｢…幼馴染みチョコ｣
TY｢ん？なんか言った？｣
YT｢いや。幼馴染みだけは毎年チョコ作ってくれとったなって思って｣
TY｢ふうん｣
｢悠太？｣
……そう、あいつはいつも煩いくらい俺の名前を呼んで。そのせいで今だって鮮明に思い出せる
｢悠太！｣
透き通る声、トーン、全部はっきりと…
｢悠太ってば！｣
YT｢……え、A？｣
｢ふふ、やっと会えた、悠太｣
TY｢……あー僕先帰ってるね、じゃあ！｣
目の前で微笑む彼女は｢え、今の人誰、韓国人？凄い綺麗な顔……｣とテヨンを目で追う。え、幻覚？いやでもテヨンが察して帰って行ったんだ、ってことは本物？
YT｢なんで、ここに…｣
｢言ってへんかった？仕事でこっち異動になった｣
YT｢は？聞いとらんしそんなんっ、｣
驚く俺の背中に回る小さな手
揺れる髪から香る匂いは俺の知らない女の匂い
｢…本当はもうちょっといい女になってから会うつもりやってんけど｣
そう言いながら俺の鞄を覗き込んで微笑んだ
YT｢な、なん？｣
｢…チョコ。0個？｣
YT｢るさい。明日貰うんやわ｣
｢……へぇ。じゃあ｣
自分の鞄ゴソゴソして、はいって手渡されたのはラッピングされた箱
…このラッピング、見覚えある
｢私が一番やな｣
久しぶりに会ったと思ったらこれ？
何やねん調子狂う
｢幼馴染みチョコ。どうしても渡したかってん｣
YT｢…まだそれかよ｣
｢え？｣
首を傾げる彼女の耳元に顔を近付けた
Aはいつになったら
俺に本命チョコくれるわけ？
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作者名：よよよ | 作成日時：2023年12月14日 11時
