Taeyong-友達編 ページ5
真っ暗な世界が急に明るくなって瞼を開ける
窓から射し込む光がいつもより眩しい。
カーテンを開けて空を眺める上裸のテヨン
とその姿を見詰める上裸の私
この真っ白なキャンパス(身体)に施されている数々の模様
｢好きだったな｣
……もう見れないのか
ただの友達じゃない
だけど恋人でもない、そんな関係は。
「……テヨン、」
TY「あ、A起きたんだ。おはよ」
振り向いて、歩み寄って
私の頭を撫でながら微笑むテヨン
風邪引くから服着な
ベッドの足元に散らばる服を集めて手渡すテヨンに促されて、黙って頷いた。
……また、私に背を向けながら
Tシャツに腕を通すテヨンの背中を見詰めて思う
彼は私が呼んだ時しか
こっちを見てくれなかったことを。
他の場所に彼が本当に愛すべき人がいて
……それでもいいから と
今の関係を望んだのは私
でもテヨンのそばに居る人生は
目に映るもの全てが輝いて見えて
聞こえるもの全ては
オルゴールの音色みたいに綺麗だった
……いつからだろう
綺麗な色で鳴っていたオルゴールが
壊れ始めたのは。
TY「……A、おはようのキス」
頬に触れる手はいつも通り温かくて
…触れる唇も、いつも通り冷たい
TY「どしたの？」
優しくしないで もう
微笑みかけないで
私が泣いたら、困るでしょ？
「……テヨン、」
TY「ん？」
貴方はよく
Aの夢叶えてあげるって言ってくれてたけど
「私の夢はね……あなたと、ずっと一緒にいることだった」
TY「……うん」
愛してる？って聞くたびに
困ったように私を抱くテヨンが答えなんだと
気付かないふりをしてた
だけどもう、限界
私が好きで望んだことなのに
自分勝手でごめんね
本気で貴方を好きになって本気で溺れて
涙で溢れる日々から抜け出すには
……もうこれしかないと思ったの。
「……テヨンは、愛してるって一度も言葉に出してくれなかったけど」
……それでも、それでも私は
「私は、テヨンのこと…愛してた」
TY「A、」
未来など欲しくはないと
目の前のあなただけ求めてた
そんな私のワガママな恋心が
サヨナラに近付けた
「っ……だからね、」
こんな時は何て言うの？
胸が潰れて、顔も見れなくなって
好きなのに、大好きなのに
本当はもっと、そばにいたいのに
「……サヨナラ、だよ。」
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作者名：よよよ | 作成日時：2023年12月14日 11時
