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Aの唇に、自分の唇を近づける。
互いの息がかかってしまいそうな距離。
お互いの瞳には、お互いしか映っていない。
「ぎゆう、さ、」
ガタンとAの座っていた椅子が音を立てた。
ハッとした。
今、自分は、結婚前の娘に何をしようとした…?
カッと、顔に熱が集まる。
Aのほうに目をやると、こちらも同じく顔を真っ赤にしていた。
「……」
「……」
お互い沈黙。
さっきから心臓がうるさい。
恥ずかしくて、この場から逃げてしまいたいのに、でも、一緒にいたい、みたいな気持ち。
どんな矛盾だ。少し前の自分が聞いたらあきれることだろう。
「さっき、言おうとしてたの、」
自分から沈黙を打ち破った。
「独占欲を出されるのも、悪くないと、思ってだな…」
矢鱈女々しい感じになってしまったが、自分なりに伝えた。
「なんか、意外ですね。そういうのお嫌いかと思っていました。」
まだ顔から熱は引いていないが、Aも話に乗ってくれた。
「そうだな。」
以前の自分だったら、どう思っただろうか。
返事をしながら、俺は、自身の気持ちの変化に気づき始めていた。
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もものかんづめ(プロフ) - 楪日織さん» はじめまして!素敵な感想ありがとうございます!とっても嬉しいです。読み辛い箇所もあったと思いますが、少しでも義勇さんの魅力を伝えられたら嬉しいです! (2021年3月9日 14時) (レス) id: 1fd1adbad9 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - はじめまして、です。作品を読ませていただきました。冨岡さんが変わっていくところとか、主人公の過去とか、とても心揺さぶられるものが多くて、「美しい作品ってこういうことを言うんだな」としみじみと感じました。素敵な作品を、ありがとうございます! (2021年3月8日 22時) (レス) id: 754ebe19e6 (このIDを非表示/違反報告)
もものかんづめ(プロフ) - 凪子さん» 凪子さん!いつもコメントありがとうございました!次回作も頑張ります笑笑 (2021年3月8日 14時) (レス) id: 1fd1adbad9 (このIDを非表示/違反報告)
もものかんづめ(プロフ) - 莉子さん» 莉子さんのコメントにいつも励まされてました…笑本当に拙すぎる文章だったので、読みにくい箇所が沢山あったと思います。それでも、義勇さんの魅力や作中での成長過程が1ミリでも伝われれば嬉しいです!最後まで応援本当にありがとうございました!! (2021年3月8日 14時) (レス) id: 1fd1adbad9 (このIDを非表示/違反報告)
凪子(プロフ) - この作品、とても好きでした。義勇さんの温かさが、心にしみました!次回作も期待しています(^.^) (2021年3月8日 13時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もものかんづめ | 作成日時:2020年11月8日 12時