○ 49 ○ ページ1
.
呆然と立ち尽くしたまま、時間はどんどん過ぎていって
手に持つスマホの着信でふと我に返る。
時すでに遅しとはこのことで、着信相手は待ち合わせをしていた康二。
時間は待ち合わせ時間を10分も過ぎていた。
｢もしもし…、｣
向井『あ、もしもし、俺やけど、』
｢ご、ごめん、駅に着いたからあと少し待ってて…！｣
向井『あ、そうなんや！』
向井『何もなくてよかったわ、ゆっくりおいでや〜笑』
康二の声を聞いて正気に戻った私は気持ちを切り替えるために両頬を強めに叩く。
今は落ち込めない、康二に失礼だ。
でも私はそんなに器用な人間じゃなかった。
｢お待たせ…！｣
向井｢待ってへんよ、そんな走らんでもええのに〜、笑｣
｢待ったくせに…、笑｣
康二の性格上遅れてくることなんてありえなくて、少なくとも20分は待ったはずなのに怒りもしなかった。
いつもなら少しくらい小言言うのに、今日はなんだかいつもと違う康二に見えた。
向井｢何落ち込んでるん、？｣
｢え…、｣
不覚にもバレてしまって、無言の時間が続く。
3月にしては少し日差しの強い日で、立ち尽くしてると少し暑さも感じる。
康二に促されまずは近くの喫茶店で話すことになった。
向井｢俺アイスコーヒで、Aは？｣
｢あ…、アイスカフェラテでお願いします、｣
店員｢かしこまりました｣
2人して店員さんにペコッとお辞儀をして康二は私を見て本題に踏み込んでくる。
向井｢んで、なにがあったん？｣
｢いや、その…、｣
向井｢Aのことやから〜、ふっかさん絡みか、？｣
図星をつかれて黙りを決め込むと、さらに｢喧嘩でもしたん？｣と聞いてくる康二。
｢なんでなんにも言ってないのに分かるの…？｣
向井｢あほか、何年一緒におるとおもってんねん、笑｣
向井｢Aのことは、お見通しなの、笑｣
誇らしげに笑う康二に、何度も助けられてきたことを思い出し、
康二と会う前にふっかさんに言われたことを思い出し、私が静かに涙を流すと
周りのお客さんにバレないように康二が指で涙を掬い取ってくれた。
解釈が追いつかないまま、頭に浮かんだのは
好きな人に重いと言われて失恋をしたとゆう事実だった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1563人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なこ - 続きを読みたいと感じました。もし大変ではなければまた更新を再開していただけるとと嬉しいです (2023年4月30日 0時) (
レス) id: c3e3984b1e (このIDを非表示/違反報告)
すーさん。(プロフ) - LINNさん» コメントありがとうございます！優しいお言葉が沢山でめちゃくちゃ嬉しいです(;_;)！頻度を落とさず更新していけたらなって思うのでこれからもご愛読の程よろしくお願いします…！ (2021年11月24日 12時) (レス) id: d77cf76696 (このIDを非表示/違反報告)
LINN(プロフ) - 初めまして！いつも楽しく拝読しております。すーさん。の作品の世界線が好きで、お話もとても読みやすいです！橙さん落ちも我得なので嬉しいです！更新楽しみにしています。 (2021年11月24日 1時) (レス) @page21 id: d684871ddd (このIDを非表示/違反報告)
すーさん。(プロフ) - 蛍さん» コメントありがとうございます、凄く嬉しいです…！なかなか更新できず申し訳ございません、なるべく早く続き更新できるよう頑張ります！作品書くモチベを下さりほんとにありがとうございます…！ (2021年7月16日 1時) (レス) id: d77cf76696 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - 気づいたらここまで読み切っちゃいました！！続きとても気になるので更新大変だと思いますが頑張ってください！！ (2021年7月15日 18時) (レス) id: 614cb0f217 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すーさん。 | 作成日時：2021年5月15日 3時
