何回だって。【紫】 (ページ49)

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蓮との話し合いを解決させ、電車へと乗り込む。

最寄り駅から待ち合わせの駅までは3駅、

目的地に着く前にとある人に連絡をした。

目黒 A今、電話できますか?

電車からホームへ降り立つと、タイミングよくなる着信。

電話の相手は、

｢もしもし、｣

深澤『もしもし、どーしたの？』

私の『好きな人』。

｢ふっかさんににどうしても言いたいことがあって、少しだけ時間いいですか、？｣

深澤『いいよ、どーしたの？』

｢私、今から康二と会うんです、｣

深澤『うん、』

｢まだ確定じゃないし、私の勘違いかもしれないけど…、｣

深澤『うん、』

｢康二に告白されるかもしれません、｣

｢私は『好きな人』がいるから、康二の気持ちには応えられないかもしれないです、｣

｢でも…、さっき蓮に会って言われたんです…、｣

｢告白相手に好きな人がいるって分かりながら告白するのってきっとすごく勇気がいることだから、ちゃんと受け止めてあげてほしいって…、｣

深澤『うん、そーだね、蓮の言う通りだな、笑』

｢康二は大切な親友でこれからも変わらない関係でいられると思ってました、｣

｢でも康二は、関係を変えることを望んでいるかもしれません…。｣

断言的なことを言えず遠回りしてしまうのは私の悪い癖だ。

それでも私が言えるのをじっと待ってくれるふっかさんにいつも甘えてしまう。

｢もし今日、康二に告白されたらきっぱり断ろうと思います…｣

深澤『え、？』

｢え…？｣

深澤『あ、いや、断っちゃうの？って思って、笑』

｢変な期待持たせる方が康二にしちゃいけない行動だと思うんです、｣

｢私は『好きな人』がいるから、｣

深澤『一個言っていい？』

｢はい、｣

深澤『その『好きな人』の呪縛から一回飛び出てみろ、』

｢え…？｣

深澤『Aの中で、その『好きな人』ってワードが自分を縛り付けるものになってるならそれを一回忘れろって言ってんの、』

｢どうして…？｣

深澤『お前重いんだよ、』

深澤『そろそろ自分の幸せ、ちゃんと考えなね…、』

プツンと切れた電話に、私はただ立ち尽くすことしか出来なかった。

悲しさが度を超えると、涙も出ないんだとゆうことを初めて知った。

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