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約束の日、私は少し早めに家を出て待ち合わせ場所に向かっていた。
駅に向かってると後ろから姉ちゃん？と声をかけられる。
聞き慣れた声に振り返ると、蓮がコンビニの袋を手にぶら下げてこちらを見ていた。
時間もあったため少し蓮と歩きながら駅までの道中に康二と会うことを話した。
目黒｢へー、じゃあ今からデートなんだ｣
｢デートって、、いつもみたいに遊びに行くだけだよ、笑｣
目黒｢それって康二に失礼じゃない？｣
目黒｢少なからず康二はデートと思ってくると思うよ？｣
分かってる、最近の康二の雰囲気が違うことくらい。
伊達に何年も一緒にいないし、きっと私の事を意識してくれてる。
でも、私はどうしてもその気持ちに応えてあげることができない。
目黒｢んまぁでも、康二と二人で出かける割には姉ちゃんもお洒落してんじゃん、？｣
｢そ、そんなことない、｣
目黒｢もしかしたら、もしかするかも？｣
｢だから！私には好きな人がいるから…！｣
もう好きな人がふっかさんだとバレているのに、蓮と話す時はいつも『好きな人』とゆうワードに逃げてしまう。
そしてこの出来事をふっかさんに相談出来ずじまいで迎えてしまった今日を少しだけ後悔していた。
全てを伝えてる必要はないだろうけど、隠し事をしてしまった気分で後ろめたさが残っている。
目黒｢今日くらい、その『好きな人』忘れてさ、｣
｢え、？｣
目黒｢姉ちゃんを『好きでいてくれる人』を見るのもいいんじゃないかな、｣
目黒｢知ったような口聞いて嫌かもしんないけど、俺にとって康二は友達だから、｣
目黒｢その、あいつの悲しむ顔見たくないし…、｣
目黒｢それに、！姉ちゃんに好きな人がいることくらい康二だって分かってるだろ？｣
｢え、あ、もちろん…、｣
目黒｢それでも告白するのってきっとすごく勇気がいることだから、｣
目黒｢康二の気持ちもちゃんと受け止めてあげてほしいって俺は思うよ、｣
真っ直ぐな目でそんなことを言われ何も言えなかった。
暫く沈黙が続き、時間ないでしょ？と進み出す蓮の背中を追いかけて駅へと向かう。
駅に着き、じゃあねと言う蓮の服を引っ張り足止めをする。
目黒｢姉ちゃん、？｣
｢蓮、ありがと…｣
目黒｢え？｣
｢康二の気持ちちゃんと聞いてくる。｣
｢『好きな人』を忘れるのは無理かもだけど、ちゃんと康二との時間を楽しんでくるね、！笑｣
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作者名：すーさん。 | 作成日時：2021年2月7日 3時
