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youside
話したいことがあるって言われたっきり、口を開こうとはしないふっかさん。
2人して遠くを眺めてぼーっとする時間が続く。
ふっかさんは何を考えているか分からないけど、
少なくとも私は浮かれている。
待ちに待った彼からの気になる宣言。
好きとは言われてないものの、浮き足立つのも無理はない。
長年想いを寄せてる人だから。
ピコンっ))
岩本 照みんな順番に風呂入ってるからそろそろ戻ってきなよ
照くんからのLINEを確認して返そうとした時、
｢ふっ、かさん…？｣
深澤｢今、携帯触んないでほしい、｣
そう言い私の携帯を伏せると、そのままの流れで手を繋ぐ彼。
触れられるだけでドキドキする、
でも一つ気になったのは、彼の言動と表情。
｢ふっかさん、どうしたんですか…？｣
いつもとは違う雰囲気を彼から感じる。
声をかけても悲しそうな表情は消えなくて、
まるで消えてどこかに行ってしまいそうで
その予感が的中するとも知らない私に、ふっかさんはぽつりぽつりと話し始めた。
深澤｢A、｣
｢はいっ、｣
深澤｢俺さ、来月から転勤なんだよね、笑｣
｢転勤、？｣
深澤｢うん、タイに4年、もしくは5年かな、笑｣
｢タイ…？｣
嘘であってほしかった。
頭が真っ白になっちゃったんだ。
予感が的中してしまったから。
笑い混じりで話す彼から悲しい表情は消えてなくて、
泣きそうな私を見て、悲しそうに微笑む彼が言った。
深澤｢好きで居続けてくれてありがとぉ、笑｣
深澤｢でも4年は俺にとっても、お前にとっても長すぎる｣
｢やだ…、言わないで…っ｣
深澤｢A、｣
｢やだっ、やだふっかさん…っ、｣
深澤｢俺のこと諦めな…？これから楽しいこと沢山あるかもしれないのに、俺のせいでいい時期を無駄にするのは良くないよ…っ、｣
｢私はふっかさんがいい…っ、｣
｢ふっかさんじゃなきゃやだ…っ、｣
私は泣きじゃくって、彼も目に涙を浮かべて、
軽く繋いでいた手はぎゅっと握りあっていて、
お互いが目を見て想いを伝え合える尊さを噛み締めた。
その後手を繋いだまま、泣いた私を連れて彼はキャンプ場へ向かって歩いた。
案の定泣きじゃくる私を見て心配そうにしてる康二達に咎められるふっかさん。
皆にも転勤の話をするとさっきまでが嘘のように場が静まり返った。
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作者名：すーさん。 | 作成日時：2021年2月7日 3時
