WASABI (ページ10)

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「アイドルみたい笑」

そう言って微笑むAの横顔を見る。
苦しそうに、微笑むAを見て、あー振られたんだなと理解した。

別に、好きって言われたわけやないけど少しくらいなら望みあると思っとった。
だって、彼氏と電話するより俺と電話する方が回数多いし
連絡だって頻繁に取っていた。ご飯だって定期的に食べていた。
だから、もしかしたらあるんじゃないかな？って、

『、、、アイドルやわ』

言って、ハッとした。そうか、俺アイドルなんや。
ああ、アイドルなんやな。俺は。

だからAはそんな苦しそうな顔してるん？
俺がアイドルやから。

『俺、アイドルなんや』

「なに笑急に、変なの」

『やから、俺と付き合えない？』

「、、ふふ違うよ。誠也くんとは友達でいたいの」

そう言ってAは自分の服の裾をギュッと握った

『俺がもし、この仕事してなかったらAと付き合えてたんかな。一緒に外歩いて手繋いで、ずっと一緒におれた？』

「もし、なんてわからないよ。別に付き合わなくても、友達でもずっと一緒に笑っていられると思わない？」

『でも俺は、、Aと彼氏として一緒におりたい。やから、待っててくれる？』

「え？」

『友達でええよ。今は。今は友達でええから、俺がもっとでかくなってちゃんと、ファンのみんなにも認めてもらえるくらいになったら付き合って欲しい。俺、ちゃんと頑張るから』

そう言うと、Aは微笑んで抱きついてきた。

「絶対、約束だよ。」

Aを抱きしめ返して、おでこにキスをした。

『とりあえずここだけにしとくわ。』