WASABI (ページ7)

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小さくうずくまった、彼女を見つけてどう声をかけたらいいか少し戸惑う。

なるべく出来るだけ優しい声で何があったん？と聞くと

「浮気されてた笑」

『え？』

「彼、浮気してたの。」

そう言う、Aの目には涙が溜まっていて目が赤く腫れていた。
ソファにうずくまっている彼女を抱きしめると、静かな声で泣き始めた。

『落ち着いた？』

しばらく、抱きしめて背中をさすっていると落ち着きを取り戻したようでAが顔を上げた。

「ん、ありがとう。誠也くん」

目を腫らした彼女の隣に座って、優しく頭を撫でる。

「だから言うたやん。やめとけって」

『うん、言われた笑』

泣き止んだAが眉をひそめて笑ってるのを見ると、なぜかこっちが泣きたくなる。

だから、俺にしとけばええのに。

「誠也くん、髪の毛濡れてる｣

『風呂上がってすぐ急いできたからな笑』

「髪、乾かす？」

そう言って、Aはドライヤーを取ってくると俺に手渡してきた。

『ありがとう』

「髪、乾かしてあげる｣

『それ普通彼女が彼氏にやるやつじゃないん？笑』

「んー、今日は特別笑｣

笑いながら、俺の髪を優しく乾かしてくれるA。
次は俺がやったる、絶対に。