馬鹿はお好き？【d!】 (ページ10)

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躑躅色の計画ページ10

家に帰ってから、私は考えた。

私は嫌われただけ。だから、別にまだチャンスはあるって。

彼に謝って、まだ好きでいていいって思ってもらわなきゃ。

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【rbr視点】

「馬鹿やなぁ、もう諦めればええんに」

俺は画面に映る彼女を見つめて、独り言を呟いた。

はよ諦めてくれたら、後は俺がそこにつけ込むだけでええんに。

普段は馬鹿で可愛ええけど、こういう時の馬鹿な思考は可愛くない。

…にしても、急いで買った監視カメラや盗聴器は今の俺にとってとても役に立っている。

これで色んなAさんが見れるし、知れるし、彼女が今何をしているのかがよく分かる。

それに、精神状態も丸わかりや。

いくらチャンスがあるって少しの希望が見えても、今のAさんは随分と心に深い傷を負っている。

だから、少し元気づける言葉を贈れば一瞬で堕ちてくれる筈や。

俺は寝息をたてて眠る彼女を画面越しに見て、笑みを浮かべた。

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【you視点】

翌日学校に行くと、この間のドッチボールで少し話した天乃さんに声をかけられた。

rbr「Aさん今日なんか元気ないけど大丈夫…？」

まさか顔に出ていたとは…

私はすぐに笑顔で大丈夫だと言った。

rbr「そうなんや…睡眠時間はしっかり取るようにな！

あと、なんかあったらいつでも相談乗るで…？Aさんに無理してほしくないし…」

天乃さんは顔を赤くして、照れながらもそう言ってくれた。

その言葉に少しだけ元気が出た。

『ありがとうございます…！なんだか少しだけ元気が湧いてきました！』

rbr「ホンマに！？それは良かったわ！」

天乃さんは嬉しそうに笑った。

一瞬、彼の笑顔に寒気がした。