馬鹿はお好き？【d!】 (ページ26)

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沼ページ26

　
私は彼の言葉に驚いた。

それほど苦しめられてたなんて…

私はそっと彼を抱き締めた。

『…じゃあ、私が貴方を愛します！』

「…は？」

『私も愛の与え方はよく分からないんです…
　
だから、一緒に学んで行きながら仲良くしましょう！』

そう言うと彼はぎゅ、と強く抱き締め返した。

「…うん………僕は“鬱島大”。なんとでも呼んでや」

『えっと…私はAです！これからよろしくお願いしますね！鬱さん！』

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ut side
　
　

大好きやったあの子が、仲間の1人とキスをしてた。

なんで、なんでなんでなんでなんで

愛してるって言ったんに。

やっと手に入れた愛やと思ったのに。

教室で自傷行為をした。

こうしたらスッキリするから。

でも、それを誰かに邪魔された。

けどどこかで人を求めてた俺は、すぐにその人に縋った。

その子は女の子で、とても綺麗やった。

あのことを相談すれば、彼女は俺を抱きしめた。

そして、
　
　
『じゃあ、私が貴方を愛します！』

なんて言った。

嬉しかった。

普通なら、あんなことされたら二度とその言葉を信じない。

けど、なぜか彼女を見るとそうはならなかった。

白く細い身体で、

純粋で慈悲深く愛情に満ちた瞳、

女神のような眩しい笑顔、

もはや毒のような甘く優しい言葉…

これぞ俺が本当に求めてた愛や。

気づけば俺は、彼女の沼にどっぷりハマっていた。
　
　
　