馬鹿はお好き？【d!】 (ページ13)

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本性ページ13

『び、びっくりした…ちょっと！突然なんですか！？』

???「いえ、なんか人来そうやから驚かそうと思っただけっすよ」

私を驚かした犯人は、猫のようにその薄紫の瞳を細めて意地悪に笑った。

『というか、煙草はダメですよ！……って、君1年生！？もっとダメじゃん！』

すると目の前の癖っ毛で気怠げな1年生は更に笑った。
絶対バカにしてるじゃん！先輩を舐めるなよ！！

???「ははっ、いやぁホンマ馬鹿なんすねw

…馬鹿で無能で、ホンマにかわええ人や」

よく分からなかったが、とにかく全身の毛が逆だって寒気が止まらなかった。

風邪でも引いたのかな…

薄紫の瞳に、一瞬だけどす黒い欲が見えた気がした。

『…君名前は？先生にチクるから教えて！』

???「そんな直球で言われてクソ正直に教える人なんて居ます？」

『…確かに……っとにかくもういいから名前言って！』

???「そんなに知りたいんですか？」

『え、なにそれ……知りたいに決まってるでしょ！』

???「ホンマに知っていいんですか？知らない方がいいんじゃないですか」

少し嫌な予感がした。
本当に、彼の言う通り知らない方がいい気がした。

でも、未成年での喫煙はダメだ。きっちり辞めさせないと

『焦らさないで早く言って！』

???「……改めまして、俺は“塩田翔斗”です。

ショッピ(・・・・)とでも呼んでください」

『…は？し、ショッピって、ぇ…』

私の顔は一気に青ざめた。

今、目の前に自分を地獄に陥れた張本人が居る。

その事実に私は呼吸を忘れた。

shp「あーあ、やから知らない方がええって言ったのに…

…まぁ、いつも笑顔なA先輩の怖がってる顔を見るのも悪くはないっすね」

目の前の猫のような男の子は、飢えた獣に突然姿を変えた。

私は我に返り彼に、ショッピくんに、何故こんなことをするのか聞いた。

そして彼はポケットに手を突っ込み、余裕な様子でそれに答えた。

shp「そんなん、孤立させて自分側に誘き寄せるために決まってるやないですか」

気怠げな獣は私を嘲笑うかのように見下ろし、微笑んだ。