好きな人 ページ2
お昼時間、いつも通り彼をお昼ご飯に誘おうと彼の教室に行った。
『あの、シャオロンさんはいますか！』
zm「居らんでー」
『あ！ゾムさんだ！お久しぶりです！』
出てきたのはシャオロンさんの友達で、これまた生徒会所属のゾムさん
ゾムさんとはシャオロンさんとお昼ご飯を食べに行かないか行くかで争っているところで知り合った。
zm「最近全然遊んでくれへんから嫌われたんかと思たわ…」
そう言って子犬のような顔をしてあからさまに落ち込むゾムさん。
『そんなわけないじゃないですか！ゾムさんと遊ぶのだーい好きですよ！』
zm「！ホンマ…？嫌いやない…？」
『もちろんです！』
zm「…へへ、そか」
なんだか大型犬とふれあってる気分だなぁ…
ゾムさんに見えない尻尾と耳が生えてる…
そして、耳に他の女の子達のこんな話し声が聞こえる。
「Aさんってゾムくんに馴れ馴れしくない？」
「ゾムくんって馬鹿な子がタイプなの？意外だけどあの子は辞めといたほうがいいでしょ…」
「天然アピだる…」
「あの子他の子の足ばっか引っ張るじゃん。天然っていうかただの迷惑だし」
『……』
昔からよく言われるから慣れてはいるけど、やっぱり迷惑なのかな…
zm「A、あんなの気にせんでええからな？」
『！！うん！！ありがとう！』
少し気にしていたことも、ゾムさんの言葉で一気に元気が出た。
zm「一緒にシャオロン探すから俺も一緒に食べてもええ…？」
子犬のように目をうるうるとさせる。何それかわいい…ずるい。
そうして、私たち2人はシャオロンさんを探す旅にでた。
__________
【zm視点】
目の前の好きな人はその誰もかもをおかしくさせる笑顔で楽しそうに話を広げている。
一目見たときから好きだった。
頬を膨らませて怒る姿。その小さな体で必死にシャオロンを引っ張る姿。何もかも好きになった。
穢れを知らないような透き通った瞳に徐々に吸い込まれていく。
綿飴のようなふわふわした口調や雰囲気が好き。
誰にでも平等に扱ってくれる優しさが好き。
こんなにアピールしても気づかないバカっぽさが好き。
天使のようなAが大好き。
心のどこかで、シャオロンに告って振られて俺の所に縋りに来て欲しいなんて願う自分が居た。
シャオロンなんかやなくて、俺だけを見てや。
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作者名：めし | 作成日時：2024年1月26日 19時
