良好的勘違い（in×ar） (ページ1)

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いつからだろう。
俺がこんなにも女の人をこわい、
と思うようになったのは。

きっかけは多分中学生。
クミちゃん、って彼女が俺にはいて、
2人で登下校はもちろんキスだって済ませた。
だから、俺には彼女しかいないって思ってたし
彼女にも俺しかいないって思ってた。

「ねえありおかくん、別れよう」
ある日、突然彼女からそう告げられた。
理由は好きな人ができたから。
俺の何がいけなかったのか、なんて
自分では考えても考えても分からない。

しかも皮肉なことに、彼女の好きな人は、
俺の親友、八乙女光。
その時の俺はただただひかに嫉妬して、
1人でイラついて、口も聞かなかった。

「クミ、有岡を利用して八乙女と付き合おうとしてたらしいよ」
またある日、そんな声が聴こえてきた。

どういう事？クミちゃんは俺のこと本気で好きじゃなかった？ひかに近付くためにおれと付き合った？好きなんてのも嘘？それともこの噂が嘘？

最終的に分かったのは、ひかは
クミちゃんと付き合わなかったという事だ。
「なんで？」思わずそう聞いた。
「良い子に見えなかったから」そう返された。

そうだ、よくよく考えてみればクミちゃんは俺の話をするよりひかの話をするほうが嬉しそうな顔をしてたし、光くんも誘おうよやら光くんとお友達になりたいやら毎回のように言ってた。

嗚呼、俺なんかよりよっぽどひかの方が見る目あったんだ。