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お店に入りお酒で乾杯して少しだけ緊張も解れてきた頃、
目黒｢Aさん、まだ俺のこと怖い？｣
｢え、、？｣
おつまみの磯辺揚げを食べながらそんな質問が飛んできた。
私、出会って一度も彼のことを怖いなんて言ったこともなければ思ったこともない。
｢え、ちょ、ちょっと待ってください｣
目黒｢ん？｣
｢私、蓮さんの事怖いだなんて思ってないですよ？｣
目黒｢え、そうなの？｣
目黒｢なんだ〜良かった〜、俺嫌われてんのかと思ってた、笑｣
そう言って笑ってお酒を飲み進める。
目黒｢ミカちゃんとは友達だけど、俺より翔太くんのが話しやすそうに話してたから｣
目黒｢嫌われてるか、若しくは怖がられてるかって思ってたからさ｣
どっちにも該当しない彼はお酒を飲んで少し酔ったのか顔を赤らめていた。
｢嫌ってもないし、怖くもないです｣
目黒｢安心しました、笑｣
｢昔から人と話すのが苦手で、友達と呼べる子もミカくらいしかいなくて、｣
目黒｢そっか、じゃあ俺も友達になっていい？｣
｢え？｣
目黒｢近くに住んでるのもこうして出会えたのも何かの縁だろうし、俺もAさんの友達になりたい｣
目黒｢Aさんのこと、もっと知りたい｣
嘘一つなさそうな真っ直ぐな目で私の目を見て離さない。
この日を境に私達は頻繁に会うようになった。
とは言っても私から誘うなんてことは滅多になくて全てのアクションは相手から。
呼び名もお互いさん呼びから呼び捨てで呼ぶようになったり、敬語も徐々になくなっていった。
出会ってから3ヶ月が経とうとしていた頃、
｢え、旅行？｣
目黒｢そう、仕事のお得意さんからペア券貰ったんだけど一緒に行く？｣
｢私と蓮が、？｣
目黒｢うーん、やっぱ翔太くんにあげるか、笑｣
あれからすぐにミカと翔太くんは付き合うことになり、今もラブラブで初々しい2人、
譲るかと言いつつ少し不服そうな蓮の表情。
｢蓮が行きたいの？｣
目黒｢ん？いや、まぁ行けたら有給消化にもなるしいいかなとは思ってたけど｣
｢いつ？｣
目黒｢え？｣
｢スケジュール確認するから、早く教えて｣
甘やかして友達にしてはややハードル高めの旅行をあっさり承諾してしまった。
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作者名：すい | 作成日時：2022年7月19日 1時
