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蓮さんのビールが届くと何も言わずにグラスを軽く差し出される。
｢ん、？｣
目黒｢2人で乾杯、しましょ？｣
｢あぁ、はい、乾杯、｣
目黒｢かんぱーい笑｣
ぐびぐびと飲んで美味しそうに嗜んでる姿も容姿がいいからかとても絵になる。
さっきみたく3人で話してくれたらいいのにミカは翔太さんととても楽しそうに話している。
目黒｢Aさん、いくつ？｣
｢今年26になります、｣
目黒｢え？まじ？同じ年だ！笑｣
嬉しそうに笑って｢よろしくね｣と言いながら謎に握手を求められるが、軽い会釈で握り返すことはなかった。
目黒｢翔太くん俺の4つ上の会社の先輩でさ、初めて連れてきてもらったんだけど思いのほか人が沢山いてびっくりした｣
目黒｢さっき別のテーブルにいて、その子達は有難いくらいによく喋る子だったからAさんみたいな子もいるんだなって思った、なんか、落ち着く感じ？｣
聞いてもないけど、自分のことを話したり前の席の人達のことを侮辱しない言い方だったり、さり気なく私を褒めて(？)くれたり、
悪い人ではなさそうだなと感じる。
何より、隣に座って私に話しかけてくれる男性はこのお店に来てから蓮さんが初めてだった。
話すのが苦手は私は彼の話す言葉を聞き、頷いたり相槌を打つのに精一杯だった。
少し時間が経ってから翔太さんからの提案で4人で店を出ることにした。
渡辺｢この後4人でカラオケとかどう？｣
｢え、、｣
あからさまに嫌そうな反応しちゃったなと気づき、咄嗟に自分の口に手を当てる。
渡辺｢ふはっ！めっちゃ素直な反応！笑笑｣
ミカ｢何事にも素直なのがAの良いところなので！｣
渡辺｢分かりやすくていいわ〜笑｣
｢す、すいません、、｣
渡辺｢じゃあ今度行こ？今日はもうこのまま皆で帰るかっ｣
目黒｢ありっすね、そうしましょ｣
場の雰囲気が悪くなるかと思いきや、誰一人として嫌な顔せず流れに身を任せ駅へと向かう。
目黒｢荷物、重そうだね｣
｢あ、昼間買い物してて、、｣
目黒｢駅まで持つよ、貸して？｣
｢あ、いや、大丈夫です、、｣
目黒｢じゃあ奪っちゃお、笑｣
軽く小走りしながら私の荷物をかっさらっていく蓮さん、とても無邪気で子供のような笑顔が目に焼き付いた。
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作者名：すい | 作成日時：2022年7月19日 1時
