あの子の花道 2 (ページ5)

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ーソンウン sideー

SU「...嘘みたいだな」

俺の手を握って安心したように眠ってしまったパラム
帽子の下から覗く髪の毛は少し短くなっていて、痛々しくガーゼが貼られた耳があの日のことを思い出させる

YM「ヒョ、あれパラム」

SU「寝ちまったよ」

YM「なんか、寝顔だけは変わってなくて安心した」

SU「寝てる時は女だよな、ちゃんと」

YM「ちゃんとって、パラムが聞いたら怒るよヒョン」

俺とパラムの繋がれた手を見て、少し眉をひそめたような様子もすぐにいつも通りになったヨンミナ
俺とは反対のパラムの隣に腰を下ろして、おもむろに頭を撫で始めた

まるで、俺がパラムを撫でる時のように

YM「...ヒョン、俺達きっと同じ気持ちだよな」

SU「きっと、な」

YM「まぁ俺達だけじゃなさそうだけど」

SU「でも今は何もしないつもり。お前だってそうだろ?」

YM「これが終わる時に。どうなってるかなんてわからないけどね
けど、今は自分よりもこいつを、Aを守りたい気持ちが強い気がする。Aが俺達にしてくれたように」

SU「そうだな。こいつはすげーよ」

物理的には俺とそんなに変わらない背格好の女の子
その小さな体で飛び込んできた世界は、きっと思っていたよりも厳しく悲しい世界だっただろう
本当は男である俺達が守ってやらないといけないのに

パラムは俺達を照らす太陽のようだ

ベタなくさいセリフしか出てこないけど、それが今俺に出来る精一杯の表現

YM「猫っぽいのにさ、太陽みたいなやつ」

SU「え、お前も?」

YM「もって、ヒョンも?」

おいおい、俺達べたな野郎共だな
けど、それも嫌じゃないってか

「もう...トッポギ捕まえて...」

SU/YM「「...ぶっ」」