あの子の花道 2 (ページ4)

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「ヒョン?」

SU「ん?パラムか」

「ただいまヒョン～」

SU「お帰りって、寝に来ただけか?」

「私の安眠枕...」

SU「はぁ..」

呆れながらも、私の頭をどかすことなくそのままでいてくれる優しいヒョン

SU「...耳大丈夫か?」

「大丈夫って言いきれるわけじゃないけど、今は平気」

SU「あの時は...守れなくてごめん」

「みんなそうやって謝るけど、なんで?誰も悪くないのに」

きっと今回の件で、男だけのサバイバルに女がいるからこうなるんだとか、最初からでなければよかったとか、いろんな声が世間ではあるはず
直接見たり聞いたりしたわけじゃないから、なんとも言えないけど

自分だけが何か言われるならまだしも、周りがそんなふうに言われるのだけは耐えられない

「ここに居なきゃよかったなんて思わないけど、迷惑かける存在にだけはなりたくなくて」

SU「うん、」

「誰かが脱落するたびに、心苦しくなる」

SU「パラム...」

「そんな気持ちじゃだめなのに、いつまでも弱いままだ...」

ぎゅっとソンウニヒョンのTシャツの裾を掴む
誰かに頼るとか普段は本当にしないんだけど、今この時だけは誰かにすがっていないと、自分を見失いそうだった

力がこもる手に、そっと温かい温もりが重なった

SU「なぁパラム。お前がもしいなくなった時、それで喜ぶ人がここに何人いると思う?」

「ん～わかんないよ」

SU「俺は誰もいないって断言できる」

「え?」

SU「人って自分では気づかない魅力に気付いてくれるんだよ
みんなお前の努力も、才能も、全部ひっくるめて好きなんだよ」

「そんなの、」

SU「分かんないって?じゃあ俺の言葉も忘れたのか?」

「?」

SU「前も言っただろ、お前とまだ歌ってたいって
一人で歩けないなら俺が手を引くし、歩き出そうとする時は背中を支えるから」

「ヒョン、」

SU「俺だけは、いつまでもそう思ってる
だから女の子に戻りたい時だって俺に言って」

「なんで、それ」

SU「俺が気づかないと思うなよ」

女として生きていても、ここに居れば自然と生活は男っぽくなる
けどそんなことばかりの毎日の中で、ふと女の子に戻りたくなる時があった。誰も知らないと思ったのに

SU「男に近くなることがしんどくない訳ないだろ?
そしたら、俺が目一杯女の子としてお前を大事にするから」

重ねられただけだった手が、ゆっくりと指を絡めていく

SU「お前はパラムであり、Aなんだからな」

その言葉に、涙が流れた