【刀剣乱舞】二年も皆に会っていませんでした【放置本丸】 (ページ4)

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三日月と会ったのは初めて裏門に行った時だ。

皆に会えば忘れていたことを怒られると思って、こっそり裏門で霊力を供給しようと
数時間を過ごして誰にも会わず帰ろうとした。

誰もいない裏門は静かで、勝手ながら少し寂しくなった。だからこそ心底驚いた。

「皆に会わぬのか？」

心臓が止まったのではと錯覚した。
勢いよく振り向けば三日月を湛えた二つの瞳がこちらを見ていた。

沈黙が続く中、私が話すまでその視線が外れることはなかった。

「…今更どの面さげて会えばいいか分かんない」
「皆主の身になにかあったのではと心配している。顔くらい出したらどうだ」

何も聞かず、ただ皆に会っていけと言う。
三日月の優しさがじわりと滲んで涙が出そうになる。

なのに、否としか答えられなかった。

「無理だよ。私が来たことは秘密にしてね、"三日月"」

前々から最低な主だって自覚していたけど本当に申し訳なくなる。
一度固まるも、頭を撫でながら三日月は眉を下げて囁いた。

「…そうか、ではまた次の機会としよう」

ごめんね。
昔のように"三日月おじいちゃん"と呼ぶ事すら怖かったんだ。