不登校の美少女には秘密がある【黒】 (ページ12)

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じゅういちページ12

『幸せだよ』

生きていることが、もう幸せ。

俺は、母さんと父さんの大切な命なんだから。

母さんにとっては、父さんとの、宝物。

俺と弟は、その人生を一生懸命に生きなければいけない。

A「そっか。

じゃあさ、私も幸せにしてほしい。

幸せになりたいの。」

"お願いします"と頭を下げる華雪さん。

『華雪さんは幸せじゃないの？』

A「……幸せってなんなのかなって……思う。

家族を失ってから、幸せだなって感じなくなっちゃったの……

なんか…分かんない……

けど、幸せを感じたい……

学校に行ってる人とか、好きなものを笑顔で食べてる人とか、

羨ましいなって……ｯ

あのときの幸せを……懐かしさを感じたい」

華雪さんは怖いんだ。幸せを感じることが

幸せになったら、バチが当たるかな、とか

家族をなくしたから、自分だけが幸せになったらダメなのかな、って。

でも、華雪さんが幸せになったら、

家族の人も喜ぶと思う。

そう言いたかったけど、言えなかった。

なぜなら、

俺の前には家族との写真を胸に当て、

泣いている華雪さんがいたから。