シャオロンside ページ33
俺は、今世に産み落とされた時から前世の記憶を持っとった。
転生なんて摩訶不思議で非現実的な事信じてへんかったから心底驚いて、緩みきった顔で俺を抱き抱えていた親父をつい蹴り飛ばしたったのを覚えとる。
それからしばらくして落ち着きを取り戻した時に、何故かあいつ等も生まれ変わってるような気がして、しゃあないから俺が集めてやるかって意気込んどった。
そして迎えた二十歳の誕生日。
ようやくあいつ等を探す準備が整ったと思った矢先、グルッペンに派遣されたトントンが俺の
前世と変わらず、カーキの軍服に赤いマフラーを巻いて、髪もばっちり七三分けにセットして。
案の定あいつ等も生まれ変わっとった事、また皆で集まって馬鹿やれる事が本当に嬉しくて、トントンに声を掛けられた瞬間、人目も憚らず大泣きしてしまった。
その反面、
けど、まだあいつ等はAを見つけとらんかった。
しかも、前世の記憶を持っとらん奴さえおる。
俺にとってこれは、又とないチャンス。ライバルが減ったんやから。
誰よりも早くAを見つけて、前世の記憶が無かったらどうにかして思い出させて、今度はちゃんと仲直りするんや。
そんで、もしAが俺等の過ちを許してくれたなら、また昔みたいにどうでもいい事で笑いまくって、あわよくば........
そんな思いで、必死にAを探した。
俺等全員が前世と全く同じ背格好やからAもそうやろうと目星を付けて、金髪金目の女性を片っ端から調べ上げて、世界中を飛び回って.......
そんな中、ふと立ち寄った国の酒屋で聞いたとある会話。
お「我々国のラインク村にな、あのほら、A・ライター様っておったやろ？あの偉大な女王陛下。その方によく似た娘がおるらしいで」
普通の人なら、そんな訳あるかと聞き流す酔い潰れたおっさん同士の他愛もないもの。
やけど、俺等にとってその情報は、救い以外の何物でもなかった。
記憶が無い奴等も、[ラインク村]という名詞が出た途端、異様な反応を示しとった。
こうして彼女がラインク村にいる事を確信した俺等は、当時我々国を治めとったメアリの子孫からこの国を受け継いで、兄さんをラインク村に派遣したってわけや。
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とうみん(プロフ) - あなたの作品は情景描写がとても綺麗で、つい作品の世界観にのめり込んでしまいました。有名な小説家にも文才などありません。何度も何度も書き直してやっと傑作が生まれるのです。偉そうなことを言ってすみません。とてもおもしろかったです。ありがとうございました。 (9月3日 18時) (
レス) @page36 id: a126db2d2e (このIDを非表示/違反報告)
るる - 読んでいてとても面白かったですよありがとうございます (2022年12月25日 16時) (レス) @page36 id: a2a90b5064 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメル(プロフ) - またいつか、続きを書く気持ちが湧いたならどれだけ時が経っていようとも、遠慮せず作品をまた更新してください。どうか、貴方様の作品を心の底から待っている人がいることを忘れないでください。本当にありがとうございました。コメント2つもしてすいません！ (2022年8月17日 12時) (レス) id: 803f58ab86 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメル(プロフ) - 打ち切りの言葉にはショックを受けましたが、読んでいるだけの私には分からない作者様だけの事情もあると理解しました。面白く、読みがいのある作品をどうもありがとうございました。 (2022年8月17日 12時) (レス) @page36 id: 803f58ab86 (このIDを非表示/違反報告)
Ajisaaaai(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました (2020年12月3日 8時) (レス) id: 4585525dae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クレア | 作成日時：2019年10月26日 16時
