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飲み疲れて、涼もうと部屋を出て、何となく開いたtwitter。
あの日から触っていなくて、あの子のページが開いたままになっていた。
更新中のページを閉じようとすると、それよりわずかに早く更新されたツイートが目に付いた。
『さっき本屋さんである人とぶつかった。こっちを見ていなかったから、気づいてないと思うけど、こんな偶然あるんだ…なんか泣きそう』
気づいたら走っていた。
全文なんて見ていない、最後のは記憶の脳内再生だ。いつから走っているのかもわからない。
ちょうど1時間前に歩いた道を全速力で駆け抜ける。
あの本屋までは15分。
信号の時間を計算して一番早いルートで向かう。
まだいる確証も、出会える確証もまるで無い。
それでも、それでも、縋り付くように願ってしまう。
どうか、出会わせてくれ、と。
さっきまでの酔いが一気に冷めた、そんな自分をもう一人の自分が皮肉な顔で笑う。
「お前そんなやつだったの？」
そんなやつだったんだよ、こんな歳で気づくとは思わなかったけど。
通りで、姿を探す。
懸命に記憶を探りながら、街ゆく人の顔に当てはめていく。
遠くで、こっちを見ている大きく見開かれた目と、目があった。
見覚えのある白いスカート、袖から覗いた白い手にはあの本屋の、袋。
何も聞こえない、でも足も出ない。
だけど、この一生続きそうな沈黙を、もっと傍で感じていたいと思って足を踏み出した。
＿＿＿その時、
『…川上っさん…！川上さん…！！』
聞き覚えのある声に、思わずはっと振り向くと、顔を真っ赤にさせた深田さんがいた。
「深田さん！大丈夫ですか？」
「あのっ…川上さん…！さっき見てた子知り合いですか…？」
『さっき見てた…？何を？』
幸いにも、ポーカーフェイスは得意だ。
「そうで…すか…はぁ…っ、玄関が閉まる音がして…その音が大きかったから、みなさん心配なさって……でもだいぶ酔ってらしたので私が…来たんです」
『そっか、ありがとう。心配かけてすみません』
「いや、大丈夫です。日頃の運動不足が身にしみます…。ところで川上さん、用事は済まされたんですか？」
『うん、大丈夫だった。ありがとう。帰ろっか』
何気なく見渡すように、さっきの場所を見た。彼女はもういない。
深田さんの動画の好きなシーンを聞きながら帰る帰り道。
「ほんとにその川上さんがかっこよくて！」
『そこ俺いちばん恥ずかしいんやけど…』
他愛ない話で笑い合う。
終わったんだなぁ、と感じた。
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まこ(プロフ) - 梨菜さん» ひゃー！！ありがとうございます！とても嬉しいです！更新頑張ります！！笑 (2019年5月24日 7時) (
レス) id: ca7df84f29 (このIDを非表示/違反報告)
梨菜 - はじめて拝見させて頂きました...！！川上さんのお話がすごく素敵で面白かったです…！！これからも更新楽しみにしてます！！ (2019年5月23日 22時) (レス) id: 7d00dc968f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まこ | 作成日時：2019年5月8日 21時
