初恋ラプソディー2【S.S】 (ページ5)

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5旅立ちの日に（S）ページ5

潤「翔くーん！」

パリ行きの飛行機を待つ空港にひときわ目立つ人影。

翔「あ、潤。。。」

卒業式から1週間後、慌ただしくパリ行きの話は進んだ。

俺が男だってこともあって、両親は翔が決めたことならって背中を押してくれた。

潤「翔くん水臭いな、黙っていくなんて、さっき翔くんちにいったらおじさんとおばさんが空港に行ったって教えてくれたよ。」

見送りは潤だけだった。もしかしたら、なんて期待したけどAの姿はなく、洋子の姿もなかった。

俺が別れを告げたあの日以来Aは学校を休んだ。

風邪を拗らせたって担任は言ってたけど、多分俺に会いたくないんだろうな。

Aの代役で俺が答辞の代わりのピアノを弾いた。ここでも代役か。。。

って少し自嘲じみた笑いが零れた。

俺はAが休んでることに少しホッとしてたんだ、最低だよな。

でも会ってしまったら決心が鈍ってしまいそうだった。

翔「潤わりい。。。でもありがとな。」

潤「翔くん。。。Aと何があったかなんて訊かねえよ俺。

洋子は翔くんのこと散々罵ってたけどさ、俺も男だから翔くんの気持ちちょっとはわかるよ？」

翔「。。。俺を恨んでくれればいい。俺はAを捨てて自分の夢を選んだんだよ。。。」

潤「翔くん。。。
そんなに自分を責めんなって、俺が翔くんの立場でもそうしたと思うし。。。

でもAのことそんなに見縊んなよ、あいつはいまは無理かもしんないけど絶対翔くんの気持ちに気づいて、ずっと待ってると思う。だから、早く目的達成して、迎えに来てやれよ！」

俺はそれには答えずに曖昧に笑った。

翔「住むとこわかったら連絡するわ。」

そう言って潤に向かって軽く右手を挙げおれは搭乗口へと向かった。