初恋ラプソディー2【S.S】 (ページ19)

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19微睡みの中でページ19

洋子に送ってもらって岡田さんの家に帰る。

キッチンに入ってコーヒーを淹れる。

冷蔵庫を開けるとそこには小さいケーキの箱が入っていた。

そうだ今日は私の誕生日だった。

わざわざケーキ用意してから仕事に行ったのかと思うと、胸の奥がくすぐったくなった。

ふふっ、て思わず笑みがこぼれた。

そうだ、私はこんなにも愛されているんだ。

あんな一方的に別れを告げられて、6年も音信不通で、その間に有名なピアニストになって、急に帰っってきて、あんな目で見つめられて、あの曲をあんな風に弾く翔くんなんて。。。

モウスキジャナインダカラ。。。。

そう声に出して呟くと、またなぜだか涙が溢れてくる。

翔くん、辛いよ。。。

泣きながらいつの間にか微睡んでいた。

微睡みの中で夢を見る。

激しく求めあった後に翔くんの腕の中から見上げる翔くんの顔。

ずっと私の髪を撫でていた翔くんの今にも泣きそうだった瞳。

そして朝が来て、

別れよう、お前がいるとダメになる。。。

そう言った唇。。。

そうだよ、もう終わったことなんだ。

翔くんはもう前に進んでるんだ。

私も進まなくっちゃ。。。。

そう夢の中で思った。