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Aは少し離れたところで一部始終を見ていました。
傍の岩の上で、スカットルとセバスチャンがもらい泣きしています。
「上手くいったみたいで何よりだなぁぁ！
ほら、このワカメで涙をふけよ、セバスチャン」
「こ、これは涙じゃない！海水が目に入っただけだよっ」
なんて言い合ったりしています。
(…良かったね、フランダー)
心の中で、Aはフランダーに語りかけました。
胸の中には、フランダーの思いがアリエル様に届いて喜ばしい気持ちと…
…ほんのちょっぴりの切ない気持ちもありました。
すると、アリエル様、エリック王子、フランダーの三人の顔が、ふいにこっちを振り向きました。
「まあ！スカットルの隣に、セバスチャンもいるじゃない！
…それから、あの女の子は…？」
「！」
アリエル様と目が合い、Aの胸が大きく鳴りました。
「こっちにおいでよ、A」
フランダーが手招きしています。
「え、え、えっ！」
突然のことにびっくりしてしまって、もたもたしているAに、
スカットルとセバスチャンは笑いだしました。
「何してるんだい、行ってきなよ！」
「ほら、早く！」
「……！！」
急き立てられたAは、慌ててフランダーの元へ泳いでいきます。
間近で見るアリエル様は輝くばかりの美しさで、この世のものとは思えないほどでした。
隣に立っているエリック王子も凛々しくて、
美男美女ってこの二人のためにある言葉みたい、とAは思いました。
「あ、あ、アリエル様、は、は、初めまして…！！」
「うふふ、初めまして。
かわいい人魚さんね！
この子はフランダーのお友達？」
「そうだよ。Aっていうんだ。
僕の背中を押してくれたのが彼女なんだよ」
「……」
やっぱり、ただの友達だよね。
そう思って、寂しい気持ちになったのもつかの間、
そっと手を握られました。
「Aと一緒なら、前を向けそうな気がするんだ」
見たこともないほどの優しい顔を向けて、フランダーはそう言いました。
あら！と笑顔になるアリエル様。
エリック王子もおやおやと顔を上げ、
スカットルとセバスチャンは目を見張って、顔を見合せはじめます。
ところが、当のA本人は、赤らめた顔を下に向けています。
困ってしまったからではありません。
嬉しくてたまらないのでした。
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あおまの - お早い更新ありがとうございます!!今後のお話も楽しみにしております(*^^*) (2021年4月26日 13時) (
レス) id: adff50567b (このIDを非表示/違反報告)
惑星ワタシ(プロフ) - あおまのさん» ありがとうございます！とても嬉しいです！近いうちに更新しますので、お楽しみに！ (2021年4月23日 12時) (レス) id: 26c992cad1 (このIDを非表示/違反報告)
あおまの - こんにちは、愛読させて頂いております！お話の更新を気長にお待ちしてます!!(^^) (2021年4月18日 15時) (レス) id: adff50567b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惑星ワタシ | 作成日時：2021年1月12日 18時
