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それから数時間後。
少し気持ちが落ち着いたスカットルに
「またいつでも来るんだよ！」
と温かく見送られ、二人は海底に向かって泳ぎ始めました。
「ごめんね、A。ちょっとびっくりさせちゃったよね」
「ううん、大丈夫。
私、スカットルと、もっと仲良くなりたくなっちゃった！」
「本当？それは良かった。
Aがそう言ってたって聞いたら、きっとスカットル、喜ぶと思うよ」
そんな二人の話し声が、辺りに静かに響いています。
広場にたどり着くには、まだ少し時間がかかりそうです。
この辺りは、水の温度が冷たく、
薄暗くて不気味なため、
人魚や魚たちがなかなか通りがかりません。
普段のAなら怖がっていたかもしれませんが、
この時はフランダーとのおしゃべりに夢中だったので、あまり周りを見ていませんでした。
ふいに遠くを見たフランダーの表情が険しくなりました。
「…フランダー？どうしたの────」
「隠れてっ！！」
急に腕を引っ張られたかと思うと、岩陰の向こうへ連れていかれます。
「ちょっと、急に何……！」
文句を言いかけるAに、フランダーは人差し指を立てて、静かにするよう促しました。
その後ろで、大きな影がユラユラと動いているのが見えます。
サメでしょうか。
Aの顔がさあっと青ざめました。
そんなAに覆い被さるようにして、
フランダーは岩陰に身を隠しつつ、気配を伺います。
その緊迫した顔には、いつもの彼の頼りなさげな姿は微塵もありません。
(フランダーも、ちゃんと男の子なんだ……)
なぜか今更、Aは気付かされました。
どれくらい時間が経ったでしょう。
「ひゃ〜、びっくりしたね。
多分、もう大丈夫だよ、A…」
フランダーの声に、Aは顔を上げました。
ところが、ドキドキしてしまって、上手くものが言えません。
そのドキドキは、恐怖のドキドキとは少し違っているような気がしました。
「…どうしたの？顔が赤いけど…」
覗き込んでくるフランダーの顔に、
さっき、サメの様子を伺っていた時の彼の表情と、
スカットルを慰めている時の彼の表情とがちらつきます。
またしても胸がドキドキと高鳴ります。
「……多分、日焼けしたんだと思う、海の上にいたから……」
やっとのことで、Aはそう言いました。
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あおまの - お早い更新ありがとうございます!!今後のお話も楽しみにしております(*^^*) (2021年4月26日 13時) (
レス) id: adff50567b (このIDを非表示/違反報告)
惑星ワタシ(プロフ) - あおまのさん» ありがとうございます！とても嬉しいです！近いうちに更新しますので、お楽しみに！ (2021年4月23日 12時) (レス) id: 26c992cad1 (このIDを非表示/違反報告)
あおまの - こんにちは、愛読させて頂いております！お話の更新を気長にお待ちしてます!!(^^) (2021年4月18日 15時) (レス) id: adff50567b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惑星ワタシ | 作成日時：2021年1月12日 18時
