22. 私だけ？ ページ22
King Gnuのライブ終了後。
「……あ」
「あ。」
楽屋から出てくるヌーの皆さんに遭遇した。
常田さんもいる…。当たり前だけど。
「Aちゃんじゃん！やっほー！」
「あ、ど、どうも！お疲れ様です！」
「もしかして、俺らのライブ見てくれた！？」
「見ました！すごくかっこよかったです！」
「Aちゃんの出番はいつ頃なの？」
「夕方からなんです、まだ結構時間があって…」
ここまで井口さん、勢喜さん、新井さんとの会話。
「……あ、あの。常田さん」
頑張って常田さんにも話しかけた。
常田さんの瞳がこっちを向いて、あぁ、なんか緊張する…！
「この前はありがとうございました…」
「…この前？」
「あ、えっと。飲みに誘って下さったことです…」
「あぁ…」
こちらこそ、と常田さんは頭を下げた。
「………」
「………」
しばらく沈黙の時間が続いて、我慢できなくなった井口さんたちがプッと吹き出す。
「なになに、なんか2人ともそっけなくない！？」
「え！そ、そんなこと…！
あの、本当に楽しかったです！普段聞けないような話もたくさん聞けて、美味しいものも食べて。それから、えーっと…」
本心のはずなのに、早口になって何だか嘘っぽく聞こえてしまう。
なんか私、空回りしてない…？
「あん時常田すごい酔ってたよなー」
「ほんとほんと。自分が話してた内容もほとんど覚えてないんじゃないのー？」
茶化すような新井さんと井口さんの言葉に、常田さんは「うるせー」と返していた。
いつも通りのクールな常田さんだ。
「観に来れたらAちゃんのライブも見に行くねー」
「は、はい。ありがとうございます…！」
去り際、常田さんは私の隣に来て、
「頑張って。Aさん」とだけ言い残して、去っていった。
…あれ？
また苗字呼びに戻ってる…。
「………」
プシュー。
自分の中から空気の抜けるような音が聞こえた気がした。
嵐が去ったあとみたい…。
(……そっか。あんなに酔ってたんだもん、覚えてないよね…)
私に話してくれた内容も、私を下の名前で呼んでくれたことも、私に寄りかかってきたことも、全部。
こんなに動揺してるのは私だけか。
…なんか、馬鹿みたいだ。
私は、常田さんに何を期待してたんだろう。
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惑星ワタシ(プロフ) - こちらこそです！ずっと読んで下さっていたなんて嬉しいです、頑張って更新し続けて良かったです泣 ありがとうございました！ (2020年7月10日 21時) (
レス) id: a8b54cfafa (このIDを非表示/違反報告)
あみ - はじめまして、ずっと読ませてもらってました。ホントに素敵なお話。ありがとうございました。 (2020年7月10日 19時) (レス) id: 7d59dcc18e (このIDを非表示/違反報告)
惑星ワタシ(プロフ) - かのんさん» ありがとうございます！楽しみにして頂けて嬉しいです！気合いが入ります(^^)もうしばしのお付き合いよろしくお願いいたします！ (2020年6月30日 9時) (レス) id: a8b54cfafa (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 毎回続きが気になる展開のお話です！これからも更新楽しみにしてます！ (2020年6月28日 13時) (レス) id: a040a3f75f (このIDを非表示/違反報告)
惑星ワタシ(プロフ) - あすぴーさん» わー、ありがとうございます！とっても嬉しいです！King Gnu以外のアーティストはですね、敢えて名前は出さないようにして、読者さんに好きに当てはめてもらうみたいな感じでやっております。更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします！ (2020年4月9日 21時) (レス) id: a8b54cfafa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惑星ワタシ | 作成日時：2020年3月6日 17時
