19. 男たらし ページ19
常田さんside
「抜け駆けなんてずりーよ大希ー！俺もAちゃんと飲みたかったぁぁぁ」
「理もしつこいっての。ほーら 大希、しっかり歩けー」
両サイドから理と和輝の声が交互に耳に届いてくるも、聞こえないふりをしている。
本当は意識はちゃんとある。
さっきまでの出来事も、俺ははっきり覚えている。
忙しのない日々が続いていた。
目まぐるしく変わる環境に流され続け、人々の期待に押しつぶされそうで、朝も起きられないほどだった。
やっと1人の時間ができた時、そのまま1人で過ごすのも悪くないと思ったけど、ふいに彼女の暖かな笑顔を思い出して。
突然誘ったにも関わらず、彼女は嫌な顔一つせず、待ち合わせ場所に来てくれた。
居酒屋の席に着いた時も、あんまりボケっとしている俺を心配してか、
「今日はお仕事のことは忘れて、色んなこと語りましょう！」
「常田さんを元気にすることが今の私の使命なので、元気になってもらわないと困ります」
…なんて、暖かい言葉をかけてくれた。
君は優しい。
そしてとんでもない男たらしだ。
どうしてそんなに、俺のことを甘やかす。
君のやり方に口出ししたり、フェスも近いのに飲みに誘って、挙句飲みすぎて足がふらふらしている、どうしようもないこんな先輩のことを。
俺が無事に帰れるか心配して、理に電話をかけてる彼女が、なんだかいつも以上に健気に思えた。
急に困らせたくなった。
眠いふりして、彼女の華奢な肩に寄りかかったら、案の定彼女は困った顔して、ガタガタ俺の肩揺らして。
軽い脳震盪起こしそうになったからすぐ離れたけど、そのあともずっと、彼女は真っ赤になって戸惑っていた。
で、理と和輝が迎えに来て、今は野郎3人で俺の家に向かってる状態。
…ほんと、何してんだろうな、俺。
困らせたいと思って困らせたにも関わらず、なんだこの想像以上にデカい罪悪感は。
そんで、俺のほうも、なんでこんなに恥ずかしい気持ちになってんだ。
「あーー…。マジきちー」
「お、大希が喋った」
「どーした急にー」
…とりあえず、こいつらにはバレないで良かったわ。
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惑星ワタシ(プロフ) - こちらこそです！ずっと読んで下さっていたなんて嬉しいです、頑張って更新し続けて良かったです泣 ありがとうございました！ (2020年7月10日 21時) (
レス) id: a8b54cfafa (このIDを非表示/違反報告)
あみ - はじめまして、ずっと読ませてもらってました。ホントに素敵なお話。ありがとうございました。 (2020年7月10日 19時) (レス) id: 7d59dcc18e (このIDを非表示/違反報告)
惑星ワタシ(プロフ) - かのんさん» ありがとうございます！楽しみにして頂けて嬉しいです！気合いが入ります(^^)もうしばしのお付き合いよろしくお願いいたします！ (2020年6月30日 9時) (レス) id: a8b54cfafa (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 毎回続きが気になる展開のお話です！これからも更新楽しみにしてます！ (2020年6月28日 13時) (レス) id: a040a3f75f (このIDを非表示/違反報告)
惑星ワタシ(プロフ) - あすぴーさん» わー、ありがとうございます！とっても嬉しいです！King Gnu以外のアーティストはですね、敢えて名前は出さないようにして、読者さんに好きに当てはめてもらうみたいな感じでやっております。更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします！ (2020年4月9日 21時) (レス) id: a8b54cfafa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惑星ワタシ | 作成日時：2020年3月6日 17時
