鉄樹、花を開くⅢ【相澤消太】 (ページ47)

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黒鉄side

病院での診断は風邪。

私に支えられながら病院に向かい、点滴をしてもらった。今は処方してもらった薬を飲んでぐっすりと眠っている。

私はその間にもう一度根津校長に連絡し、お料理アプリを見ながら調味料をグラム単位で測っておかゆを作った。

そのおかゆを持ち、寝室へ行くと

「あ、起きた？おかゆ作ったけど食べる？」

相澤「…たべる」

まだ頭がぼーっとしているみたいだ

「レシピ通りに作ったけど味薄かったり濃かったら言ってね」

相澤「…ありがとう」

「いつも助けてもらってるから、ほら口開けてあーん」

普段ならここで“自分で食べられる”と言うだろうがその元気もないようで、大人しく私にあーんされている。

「かなり汗かいてるね、ご飯食べたらタオルでちゃちゃっと拭いてさっぱりしよう？」

相澤「ぁぁ」

覇気のない返事、、消太には悪いけどどうしてもかわいく愛しく見えてしまう

相澤「なにニヤニヤしてんだ」

「ううん、なんにも？」

相澤「…」ﾓｸﾞﾓｸ

消太はじっと私を見つめ、再びおかゆを食べだした。完食すると薬を飲み、お湯で濡らしたタオルで体を拭く

露わになった上半身にはたくさんの傷跡。私はその傷が癒えますようにと祈りながら優しく拭いた

相澤「むず痒い」

「ん？」

相澤「視線」

「あーごめん、勲章がいっぱいだなって思ったの。消太がどれだけヒーローとして先生として皆を守ってきたのかよくわかる。…ちょっと心苦しいけどね、笑」

自分で切った足と死柄木にやられた目。たくさんの切傷や刺し傷。

「怪我も熱も代わってあげられたらな…なんて、笑」
　

相澤「…お前はきれいだ」

「え？」

相澤「怪我が治る理由は置いておいて、傷一つなくきめ細やかな肌、大きくて真っ赤な瞳。いつもきれいだと思う。」

「っ！！」

相澤「ふっ笑、風邪でも引いたか？顔真っ赤だぞ」

「う、うるせぇー」

少し恥ずかしくなって消太から視線を逸らすと、ぐっと腕を引かれベットに倒れ込んだ

「わっ」

相澤「一緒に寝よう」

「…下心を感じる。じゃなくて！服着て！私片付けしないとだし！！」ガバッ

私は両手で消太の肩を押し、湯を張った桶を持ち寝室の扉の前に立った

相澤「待ってる」

その時の消太の顔はいつもより赤く火照り、艶っぽく微笑んでいた