鉄樹、花を開くⅢ【相澤消太】 (ページ5)

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黒鉄side

私達アイン事務所職員一同は無事書類仕事を完遂し大阪行きの新幹線に乗ることができた。

二人がゆっくり休んでいる間にファットからかかってきた電話を思い出す。

ファットガム“異能解放戦線の信者と思われる輩から警察に犯行予告が届いたんや。まだメディアにはバレてへんみたいやけど手貸してくれへんか？”

周辺ヒーローではなくわざわざうちの事務所に要請するなんて…相当めんどくさいことになりそうだ。

そうして大阪についたのはいいものの私達には観光も許されず、まっすぐファットの事務所に向かった。

その後会議があったんだけど色々長ったらしいので会話は割愛。

内容はまとめるとこうだ。

犯行予告してきた奴らを私達は“信者”と呼ぶ。そして信者の声明は以下の通り。

“我々はデストロの意思を継ぐもの。異能解放万歳。
我々が本気であることを証明するために、京都のとある場所で爆弾を仕掛けた。明日の10時、気をつけ給え。我々の行いだということはすぐに分かるだろう”

最初はイタズラだと思われたが、翌日実際に京都のとある廃工場で爆発が起きた。被害者はでなかったが、その現場の近くに異能解放戦線の本が置かれていたそうだ。

これが1通目。1通目というぐらいだから2通目もある。

“我々はデストロの意思を継ぐもの。異能解放万歳。
我々が本気ということは伝わっただろう。そしてこの一手で我々は日本国民を解放する。始まりの地は上方。ああ。楽しみで仕方がない。多くの者が始まりの目撃者となる”

どうやら来月、大阪で大きなフードフェスがあるらしい。全国から美味しいグルメが集まり、人がごった返す。何か起こすには素晴らしいイベントだ。

それが起きる前に信者を捕まえる、もしくはフードフェスを守り切る。

これが私達の任務だ。