鉄樹、花を開くⅢ【相澤消太】 (ページ35)

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黒鉄side

「んん…」

深い眠りから目を覚まさせたのは、カーテンの隙間から差す朝陽と小鳥達の鳴き声。今日も新しい一日が始まったようだ。

となりに居る消太はまだぐっすり。自分も仕事があったのに私を寝付かせてくれた。起こすのは酷だろう

「あさごはん、、つくろ、」

私は彼を起こさないようにベットから起き上がりキッチンに向かった。2人分の白米を炊き、袋から出して焼くだけの魚を焼く。

「ほわぁー…」

大きなあくびをしながら昨日消太が作ってくれた味噌汁を温めていると、消太が出てきた。

「おはよ～」

　
相澤「…ぉはよう、手伝う」

いつもより何倍もゆるく、The寝起きだ。

「いいよ、もうできるから座ってて」

相澤「ありがとう…」

トボトボとテーブルにつく消太、寮で生活していた時や普段からは考えられない姿に思わず心が和む。

こういうときにも“ありがとう”を忘れない、素敵な人

黒鉄・相澤「「いただきます」」

ちらちらと消太を見ると、食べていくうちにどんどん眠りから覚めていく様子が見て取れた。

「ふふ笑」

相澤「なんだ？」

「おはよ消太、笑」

相澤「？？おはよう。」

平和だぁ

私達は少しずつ弾んでくる会話を楽しみながら食事をとった。

片付けをしようと思ったら消太が飯任せたから、と私より先に台所を陣取る。だが私も負けじと食器を拭こうと隣で立っていたので、結局2人で仲良く片付けた。

今日はえーちゃん達も事務所には帰ってこないのでソファでくつろぐ。

こんなにもだらけている時に予想外のことがおきた。

相澤「…提案がある」
　

「ん？」

相澤「一緒に住まないか？」

・・・え？？

一緒に住む？？

「えぇ？！！」

相澤「来年度から雄英高校は寮の義務化が無くなる。教師も同様だ。残る生徒も居るから宿直とかはあるが、、今のままだと休みの日に2人でゆっくりする場所もないだろ」

　
そんな話夢のまた夢かと思っていた。私は事務所兼家、消太は職場兼家。

きっとこれからも仕事の日はたまに電話して、休みの日には会ってどこか出かける。そんな日々が続くと思っていた

　
私の返事は決まっている。

「住みたい！！一緒がいい！！」

相澤「良かった、笑」

同棲決定。