鉄樹、花を開くⅢ【相澤消太】 (ページ28)

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黒鉄side

私は夕陽に照らされながら大阪の街に消えていく3人を見送り、彼らとは反対方向に歩き出す。

用事を終わらせる、、、その前に一本の電話をかけた。

「もっしもーし」

相澤「お前相当疲れてるな…お疲れさん」

「この一言で疲れてるの察知できる消太好き。ほんと、疲れた、、」

相澤「あ？？ああ、今から帰って来るのか？」

「ううん、ちょっと呼び出し食らったから行ってくる。仕事じゃないよ、帰ったら話したいから聞いてね〜」

相澤「分かった。帰ってきたら連絡しろよ」

「はーい。じゃあまたね〜」

そう言って電話を切ると先程まで笑顔だった私の顔は無に変わり、電柱の向こうにいる人物に声を掛ける。

「…で？貴方がお迎え？」

スーツの男「ああ。父さんが呼んでる。後俺の名前知ってるだろ」

「昨日と態度違いすぎ。黒鉄慶。」

慶「お前もな」

「もう正体の分からない奴じゃないし」

慶「あっそ。」

私は黒鉄慶と距離を詰め、となりを歩く。

「てか一応私達に助けてもらったばかりよね？何その態度」

誠也「過去のことは振り返らないタイプだ」

「つい数時間前のことを思い出せ、このあんぽんたん」

そうして車に乗せられ連れられたのは、都会から少し離れた別荘地。

「マネーパワー…」

誠也「何いってんだ、早く入れよ」

「お邪魔します」

そうしてくぐった玄関の表札には当然ながら【黒鉄】の文字があった。