鉄樹、花を開くⅢ【相澤消太】 (ページ25)

今日:39 hit、昨日:37 hit、合計:9,018 hit

25 ページ25

黒鉄side

怪しいのは秘書の百合野だが、その百合野さんの評判はすごく良かった。

なぜこの業界で生き残れているのか分からない、“百合の花のように真っ白な人間”

「…頭ぐちゃぐちゃになってきた。」

とりあえずSOSには気づけた。

慶は私にSOSを送っただけで保護しろとは言わなかった。自分だけでは保護してもらえないような状況、、

少なくとも、何らかの理由で犯人、、“信者”の手中なのだろう。誰かを人質に取られているかもしれないな。

「黒鉄慶は私を連れて行こうとした、犯人は私が邪魔なんだ。」

何に？

私が関わっている案件は一つ。

「明日のフードフェス、それも開会挨拶で必ずなにか起こる。」

どれだけ警察が黒鉄明に忠告してもステージでの挨拶は諦めなかった。…充分理由になる。

となると私は敵の注目を一身に浴びてるわけだから、勝手に色々行動したら勘付かれるかもしれない。

私は明日黒鉄明の側から離れられない…

「代役立てるか」

そうして天喰くんに体調不良を装ってもらって、何かあったときに自由に動けるようにした。

ここから更にファットと警察と話し合いをし、あらゆる可能性を考えて作戦を練り直した。

そうして迎えたフェス初日。

私達は“百合野”が犯人に近しい人物だと考えた。

そして、信者は政治家を脅せるような奴。巧妙かつ狡猾。

どこで誰が無線を聞いているかもわからない。無線は聞かれて当然の意識で動くことにし、罠もはった。

後は黒鉄家と私達の接点がバレるのは危険ということで

[やっぱり“黒鉄明”の挨拶、ステージじゃなきゃ駄目なの？もうここからカメラで中継でいいじゃん、ってか私が護衛って、どんな御身分よ…]

と、陰口を漏らし黒鉄家とは関わりはない、、少なくとも良い印象を持ってないことを見せた。