鉄樹、花を開くⅢ【相澤消太】 (ページ24)

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黒鉄side

「救ってください、、ね、」

他にも花言葉があるが、あいつの持っていた新聞の内容は私が5年間眠ることになった八年前の事件。すごく不本意だけど、書かれていたんだ。
　

『他のヒーローを救い自ら犠牲になった』

と。

すごぉぉぉく不本意だが、これは俺も助けてくれというメッセージのようにも受け取れる。

私を連れて行かないと“叱られる”…

だんだん嫌な予感が確信に変わっていった

そこからはまず、スーツの男の招待を探ることにした。

全身高級品で身を包んでいたので年収は高め。時計は高級品だが最新モデルではなく、少し昔のもの。彼の親世代と言っても過言ではない。

あのスーツの男は黒髪に切れ長の黄色い目。黒髪と黄色い目、、その特徴に見覚えはある。なぜならば明日の私の護衛対象である黒鉄明と同じだからだ。

黒鉄明が結婚していて息子が一人いることはちょっと調べればでてきた。顔付きで。そりゃ、見覚えのある顔だったよ。

私はすぐさまファットに連絡した。そのまま警察とも共有することになって、現在の黒鉄家の様子を秘密裏に調べてもらった。

「おかしいじゃん！！訳ありじゃん！！考えすぎじゃないじゃん！！杞憂で終わらないやつじゃん！！」

調査結果:黒鉄明の妻は花が好きで毎日のように見るだけでも花屋に訪れていたが最近は家から一歩もでていない。

黒鉄明は秘書,百合野と旧知の仲だがここ最近妙に距離があり違和感を覚えた人が数人。

息子の慶は父の付き人をしていて百合野を慕っていた。だがここ最近、私に会いに来るまで行方がわからなくなっていた…

そしてどれもそれが始まった時期は、警察に“異能解放戦線”からの声明文が送られてきた直後だった。