鉄樹、花を開くⅢ【相澤消太】 (ページ21)

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黒鉄side

順調に進んでいたと思われた計画が狂いだし、百合野さんに扮した男は額に汗を浮かべすごく焦っている。

「種明かしは後。だから大人しく捕まりな？」

　
百合野「なに？」

私の後ろには警察官も居る。残念ながら、この男に勝ち目はない。

百合野「ぅ゙グッ」

私は鉄を彼に巻き付け拘束した。

「あんたは見誤った。今回、止めないといけなかったヒーローは私じゃない、サンイーターなんだよ」

百合野「なっ！あいつは腹痛でっ」

「んなわけ無いでしょ、うちのサンイーターは強い。入口にいる雑魚なんてあっという間」

その後も男はグチグチ喋ろうとするので少し眠ってもらった。そして警察に引き渡し、ステージに居る黒鉄さんに視線を向けると、、

「！」

目が合った。

黒鉄さんは私を見て優しい笑顔で一度小さく頷き、観客に視線を戻した

黒鉄明《そろそろ私の話も終わりましょう。このフードフェスティバルはこれから3日間に渡って開催されます。今回は53もの店舗が参加してくれました。きっと皆さんにもご満足いただけると思います。では、私はこれにて失礼。ここからは、、》

どうやら交代の合図のようだ。

黒鉄明《このフェスを守ってくれたアインにバトンタッチします》

私はコツコツと歩いてステージに上がった

「お疲れ様でした。」

黒鉄明「本当にありがとう」

と囁かなやり取りを交わし、マイクを受け取る。

「黒鉄さんからマイクを代わりました、アインです。逃走していた敵を追いかけているとここまで来てしまいました、笑。お騒がせして申し訳ございません。ですがもう大丈夫です。世間を騒がせていた“異能解放戦線”を名乗る者ももういません。フードフェスティバルは予定通り開催されます。もしお困りのことがあれば、ヒーローと警察が巡回しておりますので気兼ねなくお声がけください。」

「では！フードフェスティバルin大阪、スタートです！！！楽しんでくださいね！！」