鉄樹、花を開くⅢ【相澤消太】 (ページ14)

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相澤side

あれから一晩明け、“片付く”日がやって来た。

今日は土曜のため授業はない、明日も休みだ。多少やらなければならないことはあるが、俺は朝から共有スペースでテレビをじっと見つめている。

アナウンサー《まもなく開催されるフードフェスティバル！！現場から会場内の様子をリアルタイムでお伝えします！》

入場ゲートにはすでに先が見えないほどの列がいくつもできている。これだけの人数の手荷物チェックやチケットを受け取るなんて想像しただけで気が遠くなる作業だ。

　
ゲートが開き客が入っていくときれいに整列していた人々も、蛆虫かのように有象無象とする。

山田「思考だだ漏れだぞ、言い方言い方」

「起きてたのか」

山田「そりゃ気になるだろ。壊理ちゃんは花怜ちゃんトコ遊びに行ってるからここで見ても目に入らねー。…何も起きずに楽しいことだけ写るのが一番だけどな」

「違いない」

テレビの向こうから注意事項等の放送が聞こえてくる。“押し合うな”“子供の手を離すな”などどこでも聞くような内容だった。

今回のフードフェスでは大きなイートインスペースが設けられ、そこにはステージも用意された。どうやら有名なアーティストも来るらしい

　
そしてそのステージがカメラに写された。

MC《今回のフードフェスティバル開会の挨拶を務めるのは、“黒鉄”明さんです。》

黒鉄明《皆様おはようございます。本日はお日柄も――――》

　
「…」

普段なら誰がこんなところで政治家の挨拶を聞きたいのだと思うが、多くの人がこの人物に注目した。よく慕われているらしい。

このまま無事に終えてくれ

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黒鉄明(あきら、あかり)

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